2016.03.16
東海テレビ制作“昼ドラ”の最後を飾る佐藤江梨子主演『嵐の涙~私たちに明日はある~』が、先日ついにクランクアップ。これをもって1964年5月にスタートした第1作『雪燃え』以降、52年にわたって放送された昼ドラ214作品全ての撮影が終了しました。3月31日(木)の最終回に向け、かつて昼ドラで主演を務めた羽田美智子さん、五十嵐めぐみさんがゲスト出演。本作主演の佐藤さんとともに、昼ドラのフィナーレを華やかに彩ります!
昼ドラ最後の撮影は、ある場所で主人公・里子(佐藤江梨子)と、茶道の枝川流家元・大造(竜雷太)が本音を打ち明け合う重要なシーンとなりました。台本数ページに及ぶ二人だけの会話のシーンを長回しで撮影。息を飲むような芝居にスタジオ中の誰もが引き込まれました。東京オリンピックの年に始まった昼ドラの撮影がついに終わるという歴史的な瞬間を前にしても、全てのキャスト・スタッフは、ただ一点、このシーンを丁寧に作り上げるということに集中しているようでした。
「カット!」「OKです!!」彼ら彼女たちの緊張と集中は、スタジオに響き渡ったその声で、一気に歓喜と惜別へと変わりました。クランクアップです!!
全ての撮影を終え、共演者、スタッフに拍手で迎えられた佐藤さんは「分不相応な大役をいただき、毎日のように反省し、家で泣いたことも多い日々でしたが、みなさんに支えていただき、やり遂げることができました。」と、あふれる涙をこらえながら感謝の言葉を口にされていました。
佐藤さんにとって、産後復帰作となった本作。母であり女優であるという、これまでとは異なる環境と向き合いながら挑んだ約3ヶ月間の撮影でした。「山を越えたと思ったら、また山、また山…の連続でした」という過酷な日々の中、佐藤さんは母親の「いいのよ!そういうボロボロの役でしょ」との言葉に救われたといいます。高い山を乗り越えたことで、得たものも大きかったよう。この3ヶ月の経験、そして里子という役との出会いをうけ、「人に甘えることに抵抗がなくなりました。それまでは全て自分でやらなきゃと思い込んでいましたが、子育てというものは、人に頼ったり、周りに合わせたりしながら育てていくんだなと。今は、子どもに対して責任を持つことも、人に甘えるのも楽しくなりました。」と晴れやかな表情で語ってくださいました。
今後の放送で、『花嫁のれん』から野際陽子さんに続いて、羽田美智子さんがゲスト出演!金沢の老舗旅館「かぐらや」の女将・神楽奈緒子役で登場し、思い悩む里子を勇気づけます。両作品とも同じプロデューサー陣であるということもあり、「いろんな辛いことが押し寄せてきても健気に生きていくヒロインたちの物語で、奈緒子とも通じるものがありますので、仲間を応援する気持ちで出演させていただきました。金沢と常滑の街がこういう形で繋がって、うれしいですね。」と羽田さん。最後の昼ドラの主演を務めた佐藤さんについては、「さっぱりとして、ウソのない方。佐藤さんのあっけらかんとした正直さが、裏表のない里子さんを魅力的にしているのだと思います」と共演しての感想を。
2010年にスタートし、計4作放送された近年の昼ドラを代表する人気シリーズ『花嫁のれん』については、「無意識のうちに課していた自分の限界を超えることができた作品。先頭をきって元気にみんなを引っ張っていく役をやらせていただいたことで、自分の新しい一面にも出会うことができました。役が役者を育てると言いますが、奈緒子に私を育ててもらいました。」と語った羽田さん。昼ドラ終幕を「寂しいです。」と惜しみながら、「でも“かぐらや”はいつでも営業していますから。」と女将の笑顔を見せてくださいました。
さらに、『イエスとノンの物語』(1982年放送)で主演を務めた五十嵐めぐみさんが、里子の過去をひも解く、重要なカギを握る人物として登場します。久しぶりの昼ドラの現場に「雰囲気は変わっていないですね。帰ってきたなという気持ちになりました。」という五十嵐さん。撮影ではリハーサルから五十嵐さん、佐藤さんともに本番さながらの涙を流す熱演で、感動のシーンとなりました。
『あかんたれ』をはじめ数々の名作を生み出した花登筺氏の最後の作品となった『イエスとノンの物語』。「子供の頃から作品を見ていた花登先生の作品なので、最初は気おくれしていたのですが、先生は本当に優しくて。それまでにやったことのない独特のセリフ回しなので四苦八苦しましたが、相手役の大和田獏さんとも寸暇を惜しんでセリフ合わせをして、みんなで一緒に乗り越えました。昼ドラの現場は大変ですが、みんなが苦労しているから連帯感が強くなる。そういう面白さ、楽しさがあるんですよ。」と当時を振り返りながら、終幕を惜しんでいらっしゃいました。
昼ドラ最後の放送となる『嵐の涙』最終回は3月31日(木)です!