2015年5月1日更新
晃司や吾郎が通勤する際に利用する「湘南モノレール 江の島線」。大船駅から湘南江の島駅まで6.6㎞、8駅で全線の所有時間は約14分となっています。地元の皆さんにとって必要不可欠な「湘南モノレール」が登場することで、湘南に暮らす人々の日常をよりリアルに表現できたら。制作陣にはそんな思いも込められています。
ところで皆さんは全国でモノレールがどれくらい走っているか、ご存じですか? 現在のところ10線となっていて、まだ1度もモノレールに乗ったことがない、という方もいるのではないでしょうか。“空を翔る”という表現がピッタリな「湘南モノレール」について、運営企業「湘南モノレール株式会社」の戸井田純一さんに、その歴史や利用したことがない方への楽しみ方、さらにゴールデンウィークに訪ねるのにピッタリな沿線スポットなどをうかがいました。
- ――「プラチナエイジ」の撮影にご協力いただき、いかがでしたか。また晃司たちが利用している「目白山下駅」が舞台になった経緯とは?
- 「連続ドラマでの、ここまでの規模の協力は初めてになります。駅自体、決して広くないので、構内では必要最低限のスタッフさんで撮影していただきました。スタッフさんから、ロケで使用する駅は構内から公園が見えるところを、との希望があり『目白山下駅』になりました。この駅は片方に公園が見えるだけでなく、もう片方から晴れると相模湾も見え、海がキラキラと光ってきれいなんですよ」
- ――「湘南モノレール」の歴史や歩みを教えてください。今年、開業45周年を迎えたそうですね。
- 「1970年の3月7日に、大船駅―西鎌倉駅間が開通。翌71年の7月2日、湘南江の島駅まで全線開通いたしました。当時、通勤には自家用車かバスを使うしかなく、渋滞がひどかったそうです。そのため『湘南モノレール』開業は歓迎され、利用者数もピーク時は1千万人を超えました。このモノレールは『懸垂式モノレール』と言って、開業したのは懸垂式のモノレールを世間にアピールする目的もありました。現在、千葉県を走っている『千葉都市モノレール』もこの形式になります」
- ――「懸垂式モノレール」とはどんなものですか?
- 「軌道面を完全にカバーしているため、風雨の影響が極めて少なく、台車が箱型断面の軌道桁内を走行するので、低騒音です。また鉄輪でなく、ゴムタイヤなので粘着力が強く、加速も早いです。最高速度75㎞で走り、ちょっとしたアトラクションに乗っている気分も味わっていただけると思います。『湘南モノレール』沿線は“湘南”と言いつつ山に面した場所も多く、『湘南町屋駅』からは、天気が良いと富士山も見えます。最急こう配74パーミル、最少曲線半径は90m(駅構内は50m)となっていて、それは懸垂式だから実現できたものです。このこう配は普通に線路を走る電車でしたら、登山電車ではないと無理なものです」
- ――モノレールに乗ると、車掌さんがいて驚きました。
- 「モノレールに車掌がいるのは『湘南モノレール』だけです。『大船駅』と『湘南江の島駅』は自動改札機が設置させていますが、それ以外の駅では車掌がお客様の切符を手渡しで受け取ります。車掌は車内で精算も行いますし、車掌カバンを持っています。あのカバンを見られるのは貴重だと思います(笑)」
- ――記者はほとんどモノレールの乗る機会がないため、ちょっとワクワクしました(笑)。
- 「『湘南深沢駅』から『西鎌倉駅』に向かう場合、途中で『鎌倉山トンネル』を通ります。トンネルを抜けたところから見られる風景が絶景ポイントになっており、先頭でお子さんが目を輝かせている姿もよく見かけます。ちなみにモノレールでトンネルがあるのも珍しいんですよ」
- ――今年は開業45周年とのことで、イベントなど開催していますか?
- 「開業45周年記念スタンプを『大船駅』と『湘南江の島駅』に設置しております。またゴールデンウィーク期間(4月29日~5月10日)は『大船駅』の改札口にお申し出いただくと、小学生までのお子さんに駅長の帽子をかぶって、構内にて写真を撮っていただくことが可能です。ぜひ“プチ駅長気分”を味わってください」
- ――ゴールデンウィークなどに湘南や鎌倉を訪ねる皆さんに、おすすめの観光地はありますか?
- 「最寄り駅が『湘南町屋駅』の『鎌倉中央公園』では四季折々のイベントが開催されています。またメジャーなところでは、『鎌倉山』ですね。『西鎌倉駅』で降りていただき、閑静な住宅街を抜けたところにあります。地元でもウォーキングやハイキングで楽しんでいる方も多く、また山の周辺にはおいしいレストランがたくさんあり、まだまだ紹介されていない穴場も多いんです。地元で取れる鎌倉野菜と海の幸を使った食事を楽しんでいただけて、高級なお店から庶民的なお店までさまざま。ケーキのおししいカフェなどもありますから、ゆっくり散策して自分だけのお気に入りの一軒をぜひ探してください」
- ――その際には、1日フリーきっぷを利用します(笑)。
- 「ありがとうございます(笑)。いろいろな施設を割引料金で利用できますので、上手に使って、海だけでない一味違った湘南・鎌倉観光をお楽しみください。行きは『江ノ島電鉄』さんを使い、帰りは『湘南モノレール』を使うと、行きと帰りで風景が違って、それもまた楽しいと思います。実は江の島から東京方面へのアクセスも『湘南モノレール』は早くて便利です。それもアピールしていいでしょうか(笑)」
*「湘南モノレール」に関する詳しい情報は、「湘南モノレール株式会社」HP(http://www.shonan-monorail.co.jp/)でご確認ください。