他でも“廃棄物トラブル”が…太陽光発電の建設現場に不法投棄か 社長は逮捕前「100%ない 適切に処理」
三重県東員町で太陽光発電の建設現場に不法投棄をしたとして、業者の社長が逮捕された事件で、逮捕前の取材に社長は関与を否定していましたが、この業者の不法投棄を巡るトラブルは愛知県でも起きていました。
木下容疑者(2022年2月):
「100%ないですね。適切に処理してあると僕の目からは見えたんです」
今年2月、東海テレビのインタビューにこう話したのは、名古屋に本社を置く太陽光発電業者「ディーエスエス」の社長・木下誠剛容疑者(56)。
三重県東員町で進める太陽光発電の開発で、廃棄物を不法投棄したとの疑惑を真っ向から否定していました。
しかし、三重県警は18日までに、木下容疑者(56)や現場の工事を請け負っていた会社の役員らあわせて6人を逮捕。
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木下容疑者らは去年3月から8月にかけ、東員町の太陽光発電の建設現場に、パネルの梱包材や樹木などの廃棄物およそ10.5トンを不法投棄した疑いがもたれています。
現場はすぐ近くに住宅地がある雑木林の一角で、いくつもの太陽光パネルが並ぶ一方、伐採された木が今もそのままの状態で残されていました。
三重県警は木下容疑者らの認否を明らかにしていませんが、逮捕前、木下容疑者は…。
Q.埋めた土はディーエスエスが搬入した?
木下容疑者(2022年2月):
「そこの土地を全部購入させていただいている、その土地内の土を持ってきているだけですので、どこかから土を持ってきたということは一切無いですね」
「外から持ち込んだ廃棄物ではない」と不法投棄を否定していました。
ディーエスエスを巡る不法投棄のトラブルは、愛知県でも起きていました。
(リポート)
「南知多インターを降りてすぐ、山が広範囲に削られ土砂がむき出しになってしまっています」
愛知県南知多町の山林。ディーエスエスはここでも太陽光発電施設の開発を行っていましたが…。
南知多町に土地を所有する内田さん:
「誰が捨てたか分からない建物の解体くずも、こうやって捨てられているんです。これに関してはやっぱり頭にきて」
「廃棄物が捨てられた」と訴えるのは、開発現場の周辺に土地を所有する内田司さん。ディーエスエスの開発が始まったあと、廃材などが勝手に捨てられていました。
内田さんは警察に被害届を提出。そしてディーエスエスに抗議文を送ると、木下容疑者からこう返信があったといいます。
<木下容疑者からの返信>
「全て下請け工事会社に依頼しております。数々の隠ぺいもあり、契約解除しました」
下請け会社に問題があるとした上、ディーエスエスの社員が廃棄物を移動した際に誤って放置してしまったと説明。意図的な不法投棄ではないと主張していましたが、この下請け会社の役員は、今回東員町の事件で木下容疑者とともに逮捕された人物です。
ほかにも届け出をせずに森林を伐採したり、町道を重機で誤って破壊したりするなど、さまざまな問題を起こしていたディーエスエス。
三重県警は木下容疑者が不法投棄の指示役だったとみて、実態解明を進めています。