「頂き女子りりちゃん」を名乗り、男性から恋愛感情を悪用して1億円以上をだまし取るなどの罪に問われた渡辺真衣被告は9月30日、控訴審で、懲役8年6カ月の判決を言い渡されました。

裁判の中では声を上げて涙を流す場面もありましたが、初めて法廷を訪れた母親は裁判後、被告と面会し、涙の理由を明かしました。

■判決言い渡しでは声を上げて涙…控訴審は懲役が半年軽減

 頂き女子りりちゃんこと渡辺真衣被告(26)は、マッチングアプリなどで知り合った男性3人から、恋愛感情を悪用し、合わせて1億5500万円余りをだましとった罪など(詐欺ほう助、詐欺、所得税法違反)に問われていました。

【動画で見る】声上げて泣き出す…“頂き女子りりちゃん”裁判中に号泣 母が明かした理由「結局刑務所に入らないといけないと…」

30日の控訴審判決で、名古屋高裁は一審と同様、身勝手な動機を指摘しましたが「事実を認め、被害者に謝罪しホストが一部弁済している」点を考慮。

一審の懲役9年、罰金800万円の判決を棄却し、懲役8年6カ月、罰金800万円を言い渡しました。渡辺被告は、判決言い渡しの途中に声をあげて泣き出す場面もありました。

控訴審判決の法廷には、渡辺被告の母親が初めて傍聴に訪れ、裁判後にはカメラの前で取材に応じました。

渡辺被告の母親(9月30日):
「これ(手錠)やっているじゃないですか。私は初めて見たから。そこから(涙が)ばーですよ」

Q控訴審判決は減刑
母親:
「率直にうれしかったです」
「裁判長の話を聞いて(被害者)に申し訳ないという気持ちはありました」

渡辺被告が8月に、母親に宛てて書いた手紙。渡辺被告の母親への思いがつづられていました。

【手紙の内容】
「なんだかんだ まいは ままのことが好きで 大好きで『ままいなくても平気!!』って強がったりするけどままが本当に まいの元からはなれたら大泣きしてしまう ちゃんとはなしたいよー」

■控訴審判決後に改めて面会した母親…感じた“号泣”の理由

 ちゃんと話したい…。母親は10月3日、名古屋拘置所で渡辺被告と面会しました。

母親:
「『どこに座っていたの?』と言われたから『真衣側の一番後ろ』と言ったら『後ろじゃわかんないよ、前じゃなきゃ』と言われた。『ここで会えるのが最後で、次は刑務所なのに行き先もわからない。外の空気を吸いたい、出たい』って」

そして、裁判中に号泣した理由については…。

母親:
「裁判長が言っていることに関して被害者の(ことを思って)泣いているのかなと思ったけど、さっきの(面会での)答え方からして「外に出たい」とか。現実を受け止めているんだろうなと。結局は(刑務所)に入らないといけないことをかみしめて泣いているのかなと」

渡辺被告は面会した東海テレビの記者に対し、「上告」することを望んでいると話していました。弁護士には上告しないほうがいいと言われたといいますが10月15日、渡辺被告は上告しました。

2024年10月4日放送