三重県の桑名市が「婚活のコツ」を教えるセミナーを開きました。そのツールは「マッチングアプリ」です。人口減少や少子化を食い止めようと、自治体も必死となっています。

 5月25日、三重県の桑名市役所。会議室から聞こえてきたのは女性講師の声です。

女性講師:
「このプロフィールを見て、『どんな人?』って想像するのかとか、正直に会いたいと思うのかですね、そういったところを皆さんにぜひ考えてもらえたら」

 マッチングアプリ大手の「ペアーズ」の“恋愛コンシェルジュ”が講師を務めたオンラインセミナー。恋愛や結婚をしたい会員を結ぶマッチングアプリを紹介し、「選ばれるためのテクニック」を伝授しました。

女性講師:
「モテるかモテないかよりも、どれだけ自分らしさを作りだせるかの方が大切なんですよね。たった一人見つけるだけで婚活って終わるので」

 オンラインセミナーには、20代と30代の男女およそ30人が参加しました。

 その1人、桑名市に住む会社員の伊藤直人さん(29)も真剣な表情でした。

伊藤直人さん:
「友人たちが結構出会い系サイトとかを通して、結婚までいっている人が3~4組ほどいますので、自分も焦る気持ちはありますね」

 出会いでまず大切なのは「第一印象」です。

女性講師:
「口元、歯を出して口角あげると、非常にきれいに女性の場合は映るので」

男性講師:
「笑顔の女性の写真って、男性から見てもお会いしたら話しやすそうだなとか、そういう気持ちを持ちやすいので非常にいいですよね」

伊藤さん:
「自分はもともと身だしなみとかをあまり気にしないタイプだったので、これを機にファッションとかですね」

 ペアーズの運営会社などが2021年に実施した調査では、結婚した5人に1人がマッチングアプリをきっかけに出会ったという結果だったということです。

ペアーズの恋愛コンシェルジュ:
「最近は理想が明確になってきている人たちがすごく多いので」

 対面で会う前から、共通の趣味や価値観がプロフィール上でわかることが好評のようです。これに目を付けたのが桑名市でした。

 桑名市の人口は、2015年の14万3000人をピークに年々減少し、現在は13万6000人までに減っています。市のSDGs推進課の担当者は「出生数も今まで1年間に1000人くらいあったが、800人台に減少している」と話しています。

 人口減少に歯止めをかけようと、桑名市は2022年11月、「ペアーズ」の運営会社と協定を結び、婚活支援に乗り出しました。

 市は今後も、アプリの使い方をコンシェルジュが教えるセミナーの開催などを検討しています。

【動画で見る】結婚の5人中1人が“出会い”との調査も…少子化等に悩む市が『マッチングアプリ』に活路 協定結び婚活支援