その瞬間はサポーターとして見ていたかったかも。
どの瞬間かと言えば、
名古屋グランパスJ1昇格決定の瞬間
です。
豊田スタジアムの記者席で歓喜の瞬間を迎えた私。
「やったー!」と絶叫したかったのですが、
私の隣りの席にはアビスパ福岡担当記者と思われる方、
その隣りにはアビスパのベンチ外メンバー10数人が座っていました。
さすがに大声で叫ぶわけにもいかず、小さく手を叩き
ひとこと「よしっ!」と吐き出しただけでした。
嬉しさよりも、体の力が抜けていく不思議な感覚でした。
2017年12月3日
豊田スタジアムはなんとも言えない緊張感と高揚感に包まれていました。
観衆37,959人
最高の雰囲気の中で始まった
J1昇格プレーオフFINAL 名古屋とアビスパ福岡のゲーム
一進一退、ともにゴールネットを1度ずつ揺らしましたが
反則とオフサイドでそれぞれノーゴール。
リーグ成績上位の名古屋は引き分けでも昇格です。
0-0のまま90分が経過、表示されたアディショナルタイムは
5分
この5分の長いこと・・・
何とかしのぎ切って昇格を告げる笛が鳴った瞬間、
叫びたい気持ちを抑えながら、
1年間がんばった選手たちの動きを追っていました。
J2降格の憂き目にあい、チームはバラバラ。
主力選手の多くが、クビになったり移籍したり、クラブを離れていきました。
そんな中、あえて残留の道を選んだ昨季のキャプテン
田口泰士が泣いています。
リーグ終盤スタメンを外れながら黙々とチームを引っ張った背番号1、
楢崎正剛が笑っています。
程なくして田口選手の涙のインタビューが始まり、
グランパスの選手たちが喜びを爆発させている時、
その傍らでは敗れて呆然とするアビスパの選手たちが立ち尽くしていました。
すると、その選手たちのところへ向かう選手が・・・
楢崎選手が、アビスパの選手たちと健闘をたたえ合っていました。
悲願と言えるJ1昇格を果たし浮かれてもおかしくない場面で
相手のことを思いやれる・・・
この『背番号1』抜きに1年でのJ1昇格はありえなかったと思います!
去年まで、当たり前だったJ1という舞台。
その舞台が特別だということを気付かせてくれたこの1年。
この1年間のスローガンが
J1へ 名古屋の風を起こそう
でしたが、昇格記念Tシャツの文字は
J1で 名古屋の風を起こそう
に代わっていました!
果たして来季、どんな風を起こしてくれるのか、今から楽しみです!
監督・選手・スタッフのみなさん、
本当にお疲れさまでした!