- 池本はドラマの初回から、武内の敵として登場しましたね。
- 1日、1日いろんな意味で“濃厚”な現場でした。池本は武内がどんな人間か浮き彫りにする上でキーポイントになるキャラクターでした。武内との直接対決もありましたので (笑)。演じ甲斐がある一方、気持ちの面では大変でした。梶間家を演じた皆さんもきっと、ご苦労されたと思います。武内の本性を知ってからは常におびえていなきゃいけなくて、そういう演技は気力も神経も使いますから。
- 池本をどんな人物と捉えていますか?
- 原作の池本は、もがいて天を仰ぐようなポーズを取ったりして…。いつも前のめりで興奮気味な感じなんです。『失った家族のために』との思いから、武内を追い詰めるべく、そのことしか頭にないのでしょうね。池本のギリギリの心境を繊細に出せたら、と自分なりに考えて演じたつもりです。
- 演じる上で、どんな苦労がありましたか?
- 池本って非常にまっとうだし、まともなんですよ。だからこそ、武内のことに固執してから、他のことがまったく目に入らなくなってしまったんだと思います。そういう心情をあまりにもオーバーリアクションで演じると、リアリティがなくなってしまうので難しかったですね。
- 池本の気持ちというのは、理解や共感が出来ましたか?
- 自分の大切な家族が…、と想像しただけで苦しくなりますよね。しかも池本の場合は犯人がのうのうと生きているわけで。自分だったとしても、正直取り乱してしまうかもしれないです。だから池本の気持ちは、『冷静でいられるはずがない』という面では分かります。
- 佐藤さんは武内をどう思いますか?
- 恐ろしいですね。それ以外の何物でもないです。ユースケ(・サンタマリア)さんが武内という人物に説得力を持たせる演技をしていたので、二人で演じていると、いかに池本が大変な状況に置かれているのか、ということが感じられました。
- 今回はユースケさんと対峙する演技が多かったですが、こういう形でユースケさんと共演しての感想は?
- ユースケさんの演技って、オーバーじゃないんです。武内の持つ異常さや不気味さが過剰じゃない。だから見ている人も『武内って何者なのか? なぜこの人はこんな行動をするのか?』と考えずにいられなくなる。そういう意味でのリアルさを感じたし、ユースケさんとの対決は演技として面白味がありました。
- 杏子役の酒井若菜さんとの共演の感想も聞かせてください。
- 一緒に芝居をするのはものすごく久しぶりだったので、うれしかったです。実は彼女がこの春に出した対談集で僕も話をしているんですが、そのとき『また共演したいね』と言ったんです。そうしたら、すぐこの作品で夫婦役が決まって。若菜ちゃんはユースケさんとも親しいそうで、いろんなことが繋がって、こうして奇跡のように共演することが叶いました。
- ところでもし、佐藤さんが池本のように大変なトラブルに巻き込まれたとしたら、どうしますか?
- もし武内のような人物と争ったとして、どんなに正論を言っても通じるわけがない。きっと僕はカッとなってしまう気がします。何事も直球のタイプで、変化球が投げられないので(笑)。相手がやっかいなら、正面からぶつかる以外のことを考えなきゃいけないでしょうね。
- シェアする
-