新型コロナウイルスの影響で景気が落ち込んでますが、三重県桑名市の病院が粋な計らいです。

<SNSに投稿された内容>
「10万円現金支給された」
「国よりも先に動くのかっこいい」

 そのコメントとともにSNSに投稿された写真には何枚もの1万円札が…。

 投稿したのは、三重県桑名市にある青木記念病院の職員。

 実はこの10万円、病院に勤める職員全員に配られたものです。

職員:
「素直にやっぱりうれしい。もらった以上に今後頑張りたい」


 粋な計らいを決めたのは、青木重孝理事長(74)。ボーナスシーズンでもないのに、なぜドドーンと10万円を支給したのか、その理由を聞くと…?

青木理事長:
「コロナの騒ぎが出て来て景気悪くなるぞと。出来ることと言えば、職員にお金渡して消費にまわしてもらうと」


 財布のひもが固くなれば世の中に回るお金が減り、不景気に拍車がかかることになります。「経済を回せ」と支給された10万円。青木理事長自ら食堂で手渡ししました。しかし、貯蓄に回ってしまっては意味がありません。そこで、10万円の使い方にあるルールを設けました。

「4月30日までに使ってください。貯金するとか消費に結びつかないような使い方では認めないと」

 期限を設け、使ったことを証明するレシートや領収書の提出を義務付けました。さらに、金券や、株、ローンや家賃には使えない取り決めです。

別の職員:
「電動自転車かカバン!」

職員:
「前から欲しかったパソコンを買います、最新の」


 病院にはおよそ200人のスタッフが勤務していて、職員には一律10万円、パート従業員にも去年の年収に応じた金額を支給。

 さらに、系列のクリニックと介護老人保健施設の職員にも支給され、支給総額はおよそ4000万円になりました。

青木理事長:
「出せるギリギリのところまで出した。コロナで大変だから、それを慰労してっていう意味ですね」


 経済を停滞させてはいけないという思いと、職員へのねぎらい…二つの思いが粋な計らいにつながったようです。

 ちなみに、4月末までに使い切れなかった場合、『残額は返金』というルールも設けられているそうです。

 今回の話は景気刺激策の色合いが強い話ですが、企業によっては経済支援の必要性を感じて対策を打ち出しているところもあります。

 パートやアルバイトなどをインターネットで仲介する「バイトル」や「はたらこねっと」を運営するディップは、サイトを通じて就業している派遣社員やパート・アルバイトなどの有期雇用労働者が、新型コロナウィルスに感染した場合の経済支援を始めました。支給額は半月分の収入に相当する額で最大10万円です。

 また、厚生労働省による臨時休校で仕事を休んだ保護者への助成制度も18日から申請が始まっています。

 申請は厚労相の委託を受けたセンターへ郵送で行い、上限は日額8330円。一定の条件を満たしたフリーランスで働く人にも上限4100円までの範囲で支給されます。相談窓口の電話番号は0120-60-3999です。