カヌー・スラロームの東京オリンピック日本代表、羽根田卓也選手は今年の正月、クロスカントリーでトレーニング。東京五輪を半年後に控え、過酷なトレーニングで準備を進めています。
■カヌーとクロスカントリーは似た動き…羽根田選手の冬のトレーニング
1月2日、新潟県妙高市。雪がしんしんと降るこの地で、羽根田選手は己と向き合っていました。
いつもは巧みなパドルさばきで激流と戦う羽根田選手ですが、この日はパドルをストックに持ち替え、上り下りが激しい2.5キロのコースを何度も周りました。10年ほど前からこのスキートレーニングを続けています。
羽根田選手:
「クロスカントリーはカヌーに似た動きがあって、全身運動の強度の高いトレーニングなので、一番いい冬のトレーニングかなと思っています」
スロバキアでもよくやっていたというクロスカントリーのトレーニング。山ごもりし練習に励む羽根田選手は、「何より自然の中、過酷な環境に身を置いて、己を鍛錬することが一番の幸せ」と話します。
■年越しの瞬間は地球にいなかった!?…年越しは1人で“ジャンプ”
トレーニング期間に羽根田選手が拠点を置く、旅館「池廼家」。オリンピックに出場経験がある、クロスカントリー・スキーの元選手が営んでいます。
たった1人での山ごもり。食事ももちろん1人です。宿泊する部屋は1ルームでベッドが2つ。
羽根田選手:
「僕的には贅沢すぎるかなというぐらい…。だって、10年間スロバキアで過ごした家は、こんなもんじゃないですから」
そんな羽根田選手、年越しは…。
羽根田選手:
「1人で年を越したので、テレビ見てぼけーっとしているよりは、ちょっと楽しいことしようかなと思って。3・2・1で、1人でジャンプしていました」
“年越しの瞬間は地球にいなかった”とやる人がいると聞いたので自分もやってみようと思ったと羽根田選手。どうか飛躍の年になりますように。
■「雪国」で「舞姫」を読む…厳選して持ってきた川端康成
また、必要最小限の荷物しか持ち運ばない羽根田選手が、厳選して持ってきたもの。それは、川端康成の「舞姫」の文庫本です。
羽根田選手:
「しまったなと思ったのが、『雪国』を持ってこればよかったと思って。(「雪国」も)持っていて、2つ手にとってどっちを持っていこうか悩んだんですよ。まだまだ詰めが甘いなぁ…」
なぜか「舞姫」を選んでしまった羽根田選手。新潟に来てから、なぜ「雪国」にしなかったんだろうと後悔しました。
■東京五輪開催か否かの自問自答はとっくに区切りついてる…日々のトレーニングに集中するのみ
新型コロナの感染が急拡大し先行きが見えない中、東京オリンピックという目標に進む羽根田選手。今の気持ちを聞きました。
羽根田選手:
「特に我々の念頭には東京五輪はありますけど、そこについてはもう開催されるかされないかという自問自答はとっくに区切りがついているので。そこは考えずに日々のトレーニングをどれだけやるかのみに集中しています」