とげ 『小市民 倉永晴之の逆襲』

毎週土曜日よる11時40分

インタビュー

倉永晴之役 田辺誠一

10月07日

倉永晴之をどんな人物像と捉えましたか?

 晴之のような性格の人は実際多いと思うんです。あまりビシっと強いことも言えず、できればなるべく穏やかに過ごしたい。僕もまさにこのタイプだと思います。でも、その人たちはその人たちなりに現代社会にストレスを感じていると思うので、それに対する向かい方や、ある種の打破の仕方など、少しでもこのドラマでみなさんを勇気づけることができたら嬉しいなと思います。僕も晴之に学ばなくてはいけないですね。

倉永晴之役はエネルギーを使いますか?

 様々な出来事に巻き込まれて、現在、とてもエネルギーを使っています(笑)。市役所では原山くんと船津さん以外はみんな敵のような感じなので、個性的な敵に巻き込まれつつも楽しんで演じています。

晴之に共感できる部分は多いですか?

 はい、特に奥さんとのやりとりに共感できます。これは男の性質だと思いますが、あるところまでは、「まぁ、大丈夫なんじゃない?」と、晴之のようになんとなく収めようとする。でも女性の方が敏感で、最終的には、「ほら、言わんこっちゃない!!」 みたいなことになるんです。倉永家でのこういうくだり、僕も本当によくわかります(苦笑)。

“キレる”という感情は、田辺さんの中にもありますか?

 僕も経験ありますが、本当にこの本の通りです。実は25歳ぐらいに初めてお店で本当に嫌なことがあり、知らない人にキレました。でも、声も小さくて震えていましたね。1話で晴之もそういうシーンがありましたが、晴之もそこから次第に自分の気持ちを出せるようになったんです。

あらためて、原作、台本を読まれた感想をお願いいたします。

 原作はとても分厚い本で、最初は読むのが大変だと思っていましたが、とてもおもしろくて2、3時間で読んでしまいました。原作では僕の役は関西弁で、関西弁のおもしろいニュアンスがあります。台本では標準語ですが、原作のおもしろさは生きていると思いました。内容も原作から全然離れておらず、おもしろさが全8話に凝縮されている感じです。3分に1回ぐらい事件が起きていて、ひとつひとつシーンの展開が早いんです。ただ、以前に起きた出来事が後への伏線になってきたりして、そこはうまく組み立てているなと感心しています。

妻・裕美役、西田尚美さんとの共演はいかがですか?

 彼女も小さい子供がいるのでこの役にぴったりだと思いますし、西田さんが演じる裕美はとてもサバサバしていて、言いたいことをはっきり言っていてとてもおもしろいです。昔から知っている間柄なので変な気を使わないですし、とても演じやすいです。

田辺さんはどちらかといえば、巻き込まれる方、巻き込む方?

 僕はあまり巻き込まれないタイプだと思います。というのは、何かあるなと察したら、話しかけないでね、という光線を出したりします(笑)。巻き込むこともそんなにしないと思います。なるべく迷惑をかけることは人としてしたくないですし、どちらかといえば人を頼らず自分で決めるタイプです。巻き込み、巻き込まれず、ひっそり静かに生きていたいほうなので(笑)。

今回の役で課題にされていること、新たな試みをなどありましたらお伺いしたいです。

 主演でやらせていただくということでしょうか。皆さんが居やすいような環境を考えることや、お芝居での受け答えなど、そういった気持ちがいつもとは違うと思います。それは自分でもっと身につけなくてはいけない挑戦のスキルと捉えて意識しているつもりです。物語の真ん中に立たせていただいて、まわりの皆さんとぶつかり合いながらトータルでいい作品を作っていきたいと思います。視聴者の方にもきっと楽しんで頂けるのではないかと思っています。気分爽快で明日も頑張ろうという気持ちになって貰えると嬉しいです。

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