JR高山線の全線開通90周年を記念し、JR東海は位置情報ゲーム「信長の野望 出陣」とコラボレーションしたイベントを開催しています。このコラボのように、列車そのものに魅力を持たせる取り組みは、ローカル鉄道でも行われています。

 その1つが静岡県の大井川鉄道で、様々な取り組みで注目を集めていますが、例えば食堂車「オハシ」です。

 SLの車両で地元食材を使ったお弁当が楽しめる取り組みですが、「オハ35系」という車体を使っています。食堂車は「シ」という記号で表したので、「お箸」とかけたネーミングで、乗車記念に「おはし」のプレゼントもあるということです。

「夜行列車」もあります。運転区間20キロを3往復して朝まで走り続ける座席夜行で、横になる寝台のない夜行列車です。

 昭和を懐かしむ世代に加え、若い女性が「インスタ映え」を狙って1人で乗車するパターンも増えているということです。

 様々な取り組みで、観光需要が下がる真冬の売上を、前年より1500万円アップさせたといいます。

【動画で見る】輸送から“地域の広告塔”へ…ローカル線『大井川鉄道』が手掛けるあの手この手の生き残り策 仕掛け人は社長

 こうした企画の仕掛け人が、大井川鉄道の鳥塚亮社長です。

 鳥塚社長は、様々なローカル鉄道の立て直しに貢献していて、ローカル線立て直しのカギは「自分だったら乗りたいか」「万人受けしなくても、100人乗りたい人がいればいい」と考えています。

 ローカル線の役割は「輸送から地域の広告塔へ」。こうして乗客を増やすことで、沿線地域に還元できるという考え方です。