- 志乃は今回、真知子を女将に育てるべく指導をしています。かつて奈緒子に教えていたときと気持ちは一緒でしょうか？
- 「それは全然違うと思います。というのも、奈緒子さんは息子の嫁ですから。言うなれば身内。真知子さんを始め、『金沢女将塾』の塾生に対して志乃は最初、『素人の娘さんたちに務まるはずがない』という思いを持っていて、歓迎していません。また、教わる側も奈緒子さんはそもそも女将になる気がありませんでした。塾生たちは女将になりたい、という気持ちでやって来た人たちなので、そういう点でも接し方が違ってきますよね」
- 野際さんご自身は、人に何かアドバイスをする際、気を付けていることはありますか？
- 「よほどのことがないと言いませんが...。撮影現場ではプロデューサーや監督さんがいらっしゃいますからね。ただ、女性同士の場合だったら、女性としてこういうことに気を付けたほうが得かも、という程度のことは言うかもしれません。そういうことを言うときも、『教えよう』という気持ちではなく、あくまで同性としての意見として」
- 会見では真知子役の矢田亜希子さんのことをデビュー当時から知っていて、「志乃はこんな可愛い人になぜ厳しく当たるのかしら」とおっしゃってましたが。
- 「本当にそう思うでしょ(笑)。真知子さんに対して厳しいことを言う場面では、あくまで彼女のおおざっぱなところ、がさつなところが女将に向いていないと思ってのセリフだと視聴者の皆さんに伝わるよう心掛けています。彼女の生まれや育ちを否定しているのではなくて。私からすれば真知子さんはおおらかで明るくて良いお嬢さんだと思います。私の実家が逗子にありますが、漁師の女将さんを見ていると、元気で威勢が良くていきいきとしている素敵な方が多いですよ」
- 矢田さんと久しぶりに共演しての感想は？
- 「みっちゃん（羽田さん）にはこれまで、私の撮影スケジュールを楽にしてもらっている分、いろいろとしわ寄せが行って、申し訳ないと思っていました。今回はあっこちゃん（矢田さん）が私とみっちゃんが楽な分、大変なスケジュールになってしまう、という図式になってしまったかも。あっこちゃんとこうして共演するのは感慨深いですね。女性としていろんな経験をしてお母さんにもなって、女優としても成長した彼女と一緒にお芝居ができて、とても楽しいです。台本に真知子さんのことを、"ひわまりのような笑顔をする人"と書かれている箇所があったんです。ひまわりって夏以外は見ることが出来ないでしょ。あっこちゃん自身も笑顔が素敵なので、"バラのような笑顔"のほうがいいんじゃないかしら、と個人的には思ってます」
- 新メンバーと言えば、沢田雅美さんが演じる、志乃の心強い味方・房子もいます。
- 「普通ならなかなか言えない金銭のことなんのかもはっきり言っちゃう。一人で生きてきた女性の強さを持っている人ですよね。房子さんはこれまで『花嫁のれん』にいなかったキャラクターなので、彼女が加わったことで作品にどんな変化が生まれるのか楽しみです」
- この第４弾の見どころは？
- 「若いお嬢さんもたくさん登場しますので、画面が華やかになりましたよね。『金沢女将塾』の塾生を演じる皆さんは全員が仲居姿になりますので、一見誰が誰だが分かりにくいときもあると思います。だからこそ、それぞれが自分の役柄を意識して、しっかり個性を出していだだきたいと思います。志乃はどうでしょう？ 前回では夫の辰夫さんとの夫婦げんかがあって、私自身も『こんな展開になるの？』と驚いたんです。今回、そういうことはないでしょうから(笑)。奈緒子さんが女将になり、志乃は立場上、普段は一歩引いていて、肝心なときに出てくればいいと思いますが、奈緒子さんが不在がちになり、そこで改めて『ここでまたひと踏ん張り、頑張らなくては』という気持ちになっていると思います。ただ、あくまで奈緒子さんが正式な女将となり、そのことを分かって上での行動ですから、ただ前に出ればいいというものでもない気がします。そういう状況で大女将としての、また人としての威厳を表せたら、と思っています」
- 劇中では今回、奈緒子に嫌味を言われることがありますね。
- 「本当にね(笑)。奈緒子さんもずいぶんと強くたくましく成長したと思います。でも、志乃は言われっぱなしという人間でなく、志乃は志乃で『あの嫁が！』と萎えないでしょ(笑)。お互い言い合える関係は悪くないと思います。あくまで言う相手次第ですけど、言われたことで傷ついてしまう人でなく、言い合うことで互いに高められるのなら、いいことだと思いますね」
- 奈緒子に言われて印象に残っているセリフは？
- 「志乃と違って奈緒子さんは、意外と嫌味っぽい言い方をするんですよ。『私はこういう言い方はしない』と思ってます(笑)。奈緒子さんは宗佑のことで志乃の弱みを握っていると思っていて、なにかにつけてそのことを言いますけど...。前にも言いましたけど、奈緒子さんも相当宗佑に甘いと思うんですよ、私は」
- 野際さんは富山県出身とのことで、そういう意味でも３月の北陸新幹線開業は楽しみでは？
- 「今まで以上に北陸が近くなり、これからはちょくちょく行きたいと思っています。北陸地方の冬は厳しいですが、それ以上に人々が明るくて、さらに金沢の人たちはこの土地ならではの文化や伝統を守り、誇り高く生きているのが素敵ですよね。今回、最終回がどうなるか分かりませんが、せっかく３月までの放送なのだから、14日の開業の日には『かぐらや』一同金沢に行って、全国からいらっしゃるお客様をお迎えしたいですね」
