- スタジオで中西さんが「花嫁のれん」の現場にいると太ってしまう、とお話しされているの聞きました。
- 「羽田さんや野際さんが気を遣っていろいろ持ってきてくださるし、スタッフさんも頑張ってくれていて、差し入れが豊富なんですよ。果物から甘い物にしょう油系...。つい目が負けて手が出ちゃう(笑)。こんなに差し入れがある現場も最近では珍しいじゃないかな」
- 中西さんは前回の第３弾から引き続きの参加になりますね。
- 「初参加となった前作のときは、羽田さん、野際さんを始め女性陣が元気で美しくて品が良く、"華やいだ現場"だと思ったんですよ。今回は『金沢女将塾』もあり、さらに若い女優さんたちが増え、華やかさは一層。前回はずっとお世話をする"ぼんち"がそばにいて、二人のやりとりが多かったけれど、今回は女優の皆さんとのやりとりが多いでしょ。圧倒されちゃって(笑)。だから（山本）圭さんや津田さん、さらに板場のみんなとのシーンのときはちょっと安心してます。今回は圭さんとの場面が増え、それもうれしかったですね」
- 今回は増岡さんが支配人となり、「そう来たか！」と思いました。
- 「ポジションが変わったとは言え、増岡の人となりは前回のままですよ。裏表がなく、人の世話をするのが好き。前回演じてきて、自分の中に増岡のベースというものがあるから、それに上乗せして演じている感じ。前もそうだったけれど、たまに鋭いことを言うんだよね、増岡は。物事の先を見越せる人物だから、ときどきそんな切れる一面も見せつつ。真知子さんを応援するもの、彼女が他の塾生より劣っているからでなく、彼女には他の人とは違う優れたものを持っていると、増岡なりの勘があったからだと思いますよ」
- 演じていて、新鮮だったところはないですか？
- 「変化と言えば変化と言えるのが、意外と噂話が好きだということが判明したことかな (笑)。だから、悪意なく話していたことが"ニセ情報"として、みんなの周りを回ってしまったことも。そのあたりは"おばちゃんテイスト"で演じてみました(笑)」
- 個人的には、前回よく披露していた増岡さんのニッカポッカ姿が見られなくて残念でした。
- 「ニッカポッカを履いていたのを、俺自身は忘れちゃっているけれど(笑)。支配人なので、今回は蝶ネクタイにしてみましたよ。でもニッカポッカ姿を楽しみにしてくれている方がいたとしたら、１回ぐらい履いても良かったかもね(笑)」
- 房子さんを演じる沢田さんとのやりとりも面白かったです。
- 「沢田さんの『この人は本当に仲居頭じゃないのか』と思わせる説得力とリアリティ。熟練の女優さんですから、所作も着こなしもさすが。羽田さんや野際さんにも感じたことですが、沢田さんもこちらが演じやすいように気を遣ってくさるので、とても心地よく芝居ができましたよ。房子さんとのやりとりは楽しかったし、ちょっとした間など、微妙なことが必要な場面であったものの、とても演じやすかった」
- キャストの皆さんの誰もが力のある方ばかりですので、演じていても一番にあるのは楽しさでしょうか？
- 「反面、難しくもあるんですよ。何気ないけれど、そこにおもしろみを出すということは。スッとやって一回で出来ることもあれば、考えに考えてリアクションを絞り出すこともある。演じる場として気持ち良い現場ではあるけれど、決して手を抜いているという訳ではない。どの場面も一生懸命というスタンスは変わらずだけれど、やりやすいほうが結果的に良い場面になる確率が高いかな、という感じ」
- 中西さんから見て、「花嫁のれん」の魅力とは？
- 「さっきも言いましたが、出て来る女性たちがとても華やか。なのに、よく見ると男女逆転というか、女性のほうが強いでしょ。増岡と房子さんの会話にもそういうところが出ているから(笑)。増岡たちだけでなく、やりとりの妙というのがこの作品のおもしろさの一つだと思いますよ」
- では中西さんがこの作品で好きなのはどういうところでしょうか？
- 「演じ手としては、スタジオドラマの王道だと思っています。作り込まれたセットで真摯に役と向き合うのはいいですね。キャストに"厚み"もあるし。視聴者目線で言うと最初の頃、真知子さんが町で倒れていたおばあちゃんを助けるシーンがあったでしょ。旅館に背負って連れて来て、『もう大丈夫よ』と手を握ったけれど、すごく温かみがあって良かった。不覚にも目頭が熱くなってしまって。そういう場面が多いんですよ。ふと心が優しくなるような、温かい気持ちになるような。見ていて、30分があっという間ですよね。『花嫁のれん』に出ていると、近所でもよく声をかけられるんですよ。誰もが『おもしろいですね』と言ってくださる。うちの奥さんも、友達からこの作品がおもしろいとよく言われるそうで、それだけみんなが言ってくれるんだから、『花嫁のれん』って間違いなくおもしろい作品じゃないのかな」
