- 連ドラのレギュラー出演は久しぶりだそうですね。
- 「実はキャストの皆さんやスタッフさん方々と最初にお会いする席では、とても緊張していました。ありがたかったのは、『花嫁のれん』の脚本を手掛ける小松江里子さんが以前に書かれた朝ドラ『どんど晴れ』にも出演させていただき、前作でも旅館の仲居役だったんです。今回と共通する部分もあるだろうし、気持ち的にはまったく知らない世界ではなかったので、イメージしやすかったです」
- 前回ではどんな役を？
- 「ヒロインの親友で元気な女の子でした。今回も元気なところは同じですし、何より佑美は元グラビアアイドルという設定だったので、『これはもう、私しか演じられないでしょ！』という強い気持ちで演じようと思いました」
- 今回の設定は心情的に入りやすかったですか？
- 「はい。私自身グラビアのお仕事をしてきたわけですから、分かるとことはたくさんありましたね」
- 佑美はかつてグラビアの仕事をしてきたことで、「かぐらや」でも辛い目に何度か遭いました。佑美の苦労も分かる部分はありましたか？
- 「グラビアアイドルに対しての厳しいイメージってあると思うんです。劇中でも佑美が結構厳しいことを言われましたからね(笑)。私自身、憧れて始めた仕事ではあります。でも仕事は仕事。楽じゃないことのほうが多いので、遊び半分でやっている、と見られることが悔しいときもありました」
- 佑美が芸能界を去って、新たな分野で頑張ろうとしていることについてはどう思いますか？
- 「佑美は自分でもグラビアのお仕事を『バイト感覚で始めた』と語っていて、世間からの厳しい目に耐えられず、『ちゃんとした仕事に就こう』と思ったわけですよね。自分の将来のことを考えられるのはしっかりしていると思うし、流れに身を任せるのでなく、自分の意思で前に進もうとする。強い気持ちを持っていて、それを殺さずにいるところも私は素敵だと思います」
- そんな佑美に共感するところは？
- 「何を言われても『金沢女将塾』で頑張るところ。何とか自分を変えようとするところ。これまで佑美は失敗や過ちを犯しながら、それもで『自立したい』という一心で成長してきました。私はグラビアのお仕事をまだまだ極めたいし、辞めるつもりはありません。何かを続けることは大変ですが、それでもやり続けることの大切さを実感しました」
- 佑美は中盤で、自分の失敗を言い出せずにいたことも。あのときの心情は理解できましたか？
- 「さすがに私だったら、すぐに自分の失敗だと言うと思います。佑美は強いと言いましたが、反面いろいろと厳しいことを、特に同性の人たちから言われ続けて、人の目を気にしているところがあると思うんです。それで怒られることへの恐怖が先に来てしまったのかな、と。『私には女将しかない』という気持ちが強すぎたゆえの過ちだとも思います。佑美は真知子さんに助けられたわけで、これまでにも真知子さんによく助けられているんですよね。私は佑美が女将修行を続けられるのは、真知子さんのおかげがかなり大きいと思っているんです」
- というと？
- 「佑美も相当おっちょこちょいだし、まだまだ至らないところばかりです。多分、女将修行でもいろいろミスしているでしょが、そんな佑美以上に真知子さんがトラブルを起こすから、佑美が目立たずに済んでいるんですよ、きっと(笑)」
- 確かに、佑美は房子さんから厳しい指導が続いていました。
- 「佑美がすごいのは、房子さんに何を言われても全然へこたれませんよね (笑)。沢田さんの演技は"圧"が相当あるので、普通なら落ち込むはずなのに佑美はすぐけろっとしてましたから(笑)。実は私もそういうところがあるんです。落ち込むようなことがあっても、ひと眠りして、目が覚めると９割ぐらい忘れられちゃう。もちろん、反省すべきところは反省しますよ」
- あえて、そんな佑美に川村さんから"ダメ出し"をするなら？
- 「いや、ないです。佑美は佑美で必死だから。反対に『そのままでいいから、自分なりに頑張りなさい』と言ってあげたいですね。まるでお母さんのように(笑)。この作品って佑美だけでなく、どの登場人物もすごく頑張ってますよね。見ていると、『頑張れ！』って応援したくなるような。視聴者の皆さんにも佑美や女将塾のメンバーが見事、女将になれるのか、最後まで応援していただきたいです」
- ところで川村さんは旅館の女将って興味ありますか？
- 「そうですね...。老舗旅館の女将が向いているがどうかは...。私にはもっと親しみがある民宿のおばちゃん、みたいなほうが合っている気がします(笑)」
