違和、感
Web&SNS担当の平岡敏治です。
5年ほど前になるでしょうか。あるクリエイターの方から次のようなお話を伺いました。
「笑ったり、喜んだり、怒ったり、泣いたりするその直前、人は驚いてるんです」
人の心が動くきっかけは、驚き=違和感の結果 なのだと私は解釈し、以来文章を書いたり、映像を編集したりする際には、少しでも多くの方にコンテンツを楽しんでいただくため、常にそれを意識して取り組むようにしています。
さて、4/30(土)の第5話放送中、インターネット上に続々寄せられる沢山のご感想を拝見しておりましたところ、「音楽のぶつ切りが怖すぎる」というお声を多くいただきました。
これこそ、まさに違和感が産む恐怖なのではないでしょうか。
私たちは音楽を耳にすると連続性を信じます。4拍子だったら4拍目の次は1拍目が来るものだと無意識のうちに思っているのです。
しかし『火の粉』では、それが突然崩されます。
淡々と奏でられるピアノの調べが、映像の切れ目で唐突に止まり、始まり、また止まる。次のシーンに移っていないのに、音だけが思い切り先行する。優しい感じのメロディーだなぁと思っていたら、重苦しい音がどんどんかぶさって来て、気がついたら優しい音は掻き消されている...。
そもそも、ユースケ・サンタマリアさんをはじめとするキャストの皆様による渾身のお芝居、そして美術や技術等の手練れスタッフの皆様による緻密なお仕事によって、撮影時点で相当に怖ろしい場面となっているにもかかわらず、そうした音楽の足し算、いや掛け算によって、放送時にはその恐怖がさらに何倍にも増幅されているのです。
ご覧の皆様からの感想に戻りますと、ドラマスタート当初にいただいていた「〇〇だから見られない...」というお声が、回を重ねるごとに「〇〇だけど見る!」というお声に変化しているように感じます。しかも「〇〇」の部分には、「明日早起き」とか「サスペンス苦手」とか以前と同じ主旨の言葉が入っていることもあり、行動だけが正反対になって来ているようなのです。
このドラマの違和感、お気に召しましたか?
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