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インタビュー

ちすんさん(河原美咲役)

2015年5月1日更新

――美咲は亡き母を捨てたことへの復讐のため、晃司に近づいた怖い女性でした。
「今回、初めての経験と言えますが、撮影が始まった段階では美咲について、晃司さんに対して何らかの感情は抱いている程度のものしか決まっていなかったんです。そのため、最初の頃は役作りに関して監督さんからOKが出たものが正解だと思いながら、美咲を演じていました。美咲についていろいろな事実が明らかになるたび、『え、そうだったの⁉』と思うこともありましたね(笑)」
――そうなると、演じる上で難しい面もあったのでしょうか。
「ただ、この作品において美咲が香織さんや晃司さんを始め、登場する人たちを混乱させ、かき乱す、トラブルメーカー的なポジションになることは間違いないとのことだったので、それは確実に押さえつつ、演じるよう心掛けていました」

――女優として大先輩の榊原郁恵さんや長内美那子さん相手に、女同士で火花を散らす場面もありましたが。
「皆さんの胸をお借りするばかりでしたが、かなり緊張しました。伊佐山家を訪ね、香織さんやお母さんと表面上はにこやかだけれど、内心ではまったく反対の気持ちを抱いて話をしたり、その後でお母さんに土下座を要求したり。そんな場面を立て続けに撮ったんです。撮り終えて、どっと疲労感が湧いてきたので、自分でも相当エネルギーを消耗したんだな、と感じました」
――伊佐山家を訪ねる場面は、見応えがありました。
「演じていても、『美咲ってすごいな』と思いました(笑)。『ちょっと近所まで来たので』と何の連絡もなしに人様の家を訪ね、自分から積極的に家の中にも入り込んだので。どんな風に振る舞えばいいのか悩んでいたら、監督さんからは『美咲は遠慮のないキャラクターだから、そんな感じをイメージして』と言われたんです(笑)」

――ちすんさんは、現時点での美咲の晃司に対する気持ちはどんなものだと思いますか? 親しくなる中で、多少は恋愛感情もあるのでしょうか?
「ないと思いますね。美咲の中にあるには復讐心のみじゃないか、と。女性って目的を達成するためなら、どんなことでも平気で出来ちゃうところがありますから」
――では、ちすんさんにも美咲的なところがありますか?
「美咲ほどではないですけど…。美咲が晃司さんに近づくため、女性らしい可愛いしぐさをいろいろしたところは、『なるほど。こうすれば男性を夢中にさせることができるのか』なんて思ったりして。演じつつ、美咲に男性を夢中にさせるテクニックを学ばせていただきました(笑)」
――ちすんさんの「プラチナエイジ」という作品に対する感想を聞かせてください。
「台本を読んで、シンプルにおもしろい作品だと思い、ストーリーに引きこまれました。純一さんが晃司さんに“緊急連絡!”ってメールを送る場面があって、私の中ではそれがとてもおもしろくて。私もだし、10代や20代の子たちもそんな風にメールで連絡することってよくあることで、それが60代の方にとっても“日常”だったのが新鮮でおもしろかったです。ドラマ冒頭で登場する、香織さんや晃司さんたちが浜辺ではしゃいでいる場面も、60代の人たちがやっているからこそ、微笑ましいし素敵に映ってますよね。今の60代の方は全然老けていないので、一周しての若さ、とでも言える説得力も感じています」

――60代に対するイメージも変わりましたか?
「それはあります。私の父が60代半ばで、これまではどうしても父親という“フィルター”を通して見ていた部分があったんです。今回、客観的に60代の人たちを見ることが出来ました。宅麻伸さんがご自身の感覚として、40代の頃と今感じていることや思っていることが全然変わらないとおっしゃっていたんです。そのお話を聞いて、私は30代になって少し経ちますが、今考えていることを60代になっても普通に考えるんだろうな、なんて思いました」
――まだまだ先ですが、ご自身が60代になったときのことなど考えますか?
「どうでしょ…。結婚もしていないし、人生経験もまだまだ浅いので…。今回、宅麻さんとのシーンが多かったのでいろいろお話しさせていただきましたが、宅麻さんは人としても男性として魅力的で“色気”のある方でした。私も60歳になったとき、宅麻さんのように異性から恋愛対象として見られるような、心身ともに美しい女性を目指したいと思っています」
――ところで美咲ですが、晃司に対する復讐を一応遂げられました。今後どんな行動を取るのでしょうか?
「“お母さんの恨み”とは言っても、なぜ美咲がそこまで晃司さんのことを憎むのか、実はまだ謎な部分があるんですよ。それが明かされるのか、それとも謎は謎のままなのか、皆さんも楽しみにしていただきたいです」

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