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インタビュー

馬渕英俚可さん(横川京香役)

2015年5月13日更新

――馬渕さんは主演作「愛しき者へ」(03年)以来の、この枠の作品への参加とか。
 「ちょうど12年前のこの時期の放送で、良い作品でしたし、演じていてもとてもやりがいを感じていました。とは言え、撮影が長い期間でボリュームもあり、『きついな』って思うこともあったんです。今回、(榊原)郁恵さんを始め、3組の夫婦を演じている皆さんは出番が多く大変なのに、そんなことを微塵も感じさせないんです。郁恵さんはいつもシャキッとされていますから。『皆さんと同じ年齢になったとき、私も同じように出来るだろか…』と考えると、とても刺激を受け、勉強にもなりました」
――事務所の先輩である榊原さんと親子を演じての感想は?
 「郁恵さんが60歳の設定とはいえ、アラフォーの私が娘では失礼ですよね(笑)。そもそも郁恵さんは私が『タレントスカウトキャラバン』に出場した際、司会をされていて、その後、私が出演した舞台を観に来てくださったこともあります。ただ、お仕事でご一緒するのは初めて。今回、郁恵さんの演技を間近で見させていただき、女優としても何て素敵な方だろう、と思っています。お芝居がとても温かく、誠実で真摯。自分の出番でないところで郁恵さんの演技を見ていると、なぜか涙が出てきてしまうこともあります」

――京香という役に対する感想は?
 「私自身、京香と一緒で兄が一人いるので、京香の立ち振る舞いは分からなくもないです(笑)。自由気ままで発言に責任がないあの感じ。ただ、悪意はないんです。単純だし、家族のことも愛しているし。また、自分も子供がいるのに実家に帰ると母親である前に、子供に戻ってしまいます。辛いことが我慢できないので、見ている方からしたら『こいつ、しょうがないな』と思われるんじゃないでしょうか(笑)。甘やかされて育った末娘の典型、みたいなキャラクターですよね」
――確かに、まさに末娘という感じですね。
 「この作品は全体的に明るくアットホームなテイストで、人と人の繋がりというものを描いていると思うんです。その中でときにギスギスしたり、辛い場面があったりもします。京香はあっけらかんと、いろんなものを破壊していくんですよ(笑)。その一方で、煮詰まった状況の中でも周りを気にすることなくスバズバとものを言うので、京香の発言が物語を次に繋げていくこともあります。そういうときは、京香が視聴者の皆さんの“より所”にもなるんじゃないでしょうか」

――ところで馬渕さんは、自分が60代になったときのことを考えますか?
 「未だ独り身なので、怖くて今後のビジョンが考えられない(笑)。おぼろげに、60代って次にどう進むべきか、考える世代なのかな…とは思いますけど。『プラチナエイジ』の台本を読んでいると、やっぱり家族がいるってとても大切なことだと痛感しています。3組の夫婦の会話のところでは、ジーンとなることばかりです。智恵子さんが純一さんを支えようとする気持ちもとても素敵ですし、でも切なくもありますよね」
――ご自身にとって20年、30年先の話でも、共感する部分もありますか?
 「『プラチナエイジ』は世代とか性別とか関係なく、入り込める作品だと思います。台本もスーっと心の中に染み込んできますね。特に私が考えるのは、“連れ添う”ってどういうことなのか、ということです。長年、夫婦を続けていたら、好きとか嫌いとかだけでは済まないだろうし、体の無理が利かない、以前は出来たことが出来なくなった、と肉体的な面でも変化が現れ、相手への責任もどんどん増すような気がします。大変なことが多くなっても離れないのは、長年ともに生きてきたからこその“年輪”ですよね。私も早くそう思える存在を見つけないといけない、と焦っています(笑)」

――馬渕さんの同世代の方には、この作品のどんなところを見てもらいたいですか?
 「家族の大切さと、家族を思う母親の愛情でしょうか。お母さん(香織)を見ていて思ったのは、家族にとって“要”であり、大黒柱になるのは、母親なんですよね。自分の家も、やっぱり中心にいるのは母ですから。私の母もいろんなことを耐えて、我慢してそれでも家族を支えてくれていると思うんです。その強さってどこからくるのか…。お母さん(香織)も一度は家を出たものの、おばあちゃん(時枝)が病気だと知ると帰ってきて、ひどいことを言われても世話を焼いたり、親友の夫婦の問題ではありますけど、純一さんの病気が分かって、ウガンダに行くのをためらったり。自分が家庭を持ち、母親になったときどうなっているのかあまりに“未知の世界”なので想像がつきませんけど、強くありたいとは思います」
――物語は終盤へ突入します。京香の見どころは?
 「私は伊佐山家を愛すべき家族だと思っているので、夫婦間のことを始め、問題はまだまだありますが、最後はみんなの心が一つになればいいな、と思っています。そこに至る過程で、京香が物語に緊張感を与え、また反対に緩和するキャラクターとして存在できればいいですね」

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