外国人観光客も「デリシャス!」…岐阜・高山の古い町並みに“ソフトクッキーの店” 障害を持つスタッフが働く
障害がある人らを積極的に雇用する「久遠チョコレート」と、岐阜県多治見市に本店を置く人気スイーツ店「シェ・シバタ」がコラボしたソフトクッキーの店が、2023年5月1日、岐阜県高山市の古い町並みにオープンし、外国人観光客らから人気を呼んでいます。コラボする店が目指すのは「多様性のある店」です。
岐阜県高山市の古い町並み。コロナの規制が緩和され、町にも大勢の観光客の姿が戻ってきました。
この古い町並みの一角にひと際、外国人の客が目立つ店があります。
5月1日にオープンしたクッキーの店「ABCDEFG〜タケシとQUONのお菓子な関係〜」です。
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店内には定番の色のクッキーだけでなく、赤や緑といったカラフルなクッキーが並んでいます。
この店は、性的マイノリティや心や体に障害がある人など、働きづらさを抱える人たちを積極的に採用している愛知県豊橋市の「久遠チョコレート」と、アジアを中心にお店を展開している岐阜県多治見市が本店のスイーツ店「シェ・シバタ」がコラボして開きました。
名古屋市千種区と北海道北広島市に続いて3店舗目で、この店舗では障害を持つスタッフが働いています。
スタッフの島尻和美さん:
「オープンに向けて頑張ってきてたんで、めちゃめちゃ嬉しいです。初めてのことばかりだったので、いろんなことを覚えなきゃいけない」
販売しているのは、障害がある人でも作りやすい、柔らかいソフトクッキー。中でも人気の商品は、ヨーロッパの焼き菓子の伝統的な赤色をした「レッドベルベット」です。
このクッキーは、ココア生地に大粒の甘酸っぱいクランベリーとフランス産のホワイトチョコが使われています。
そして「濃い茶」の商品は、シェフの柴田さんがプレオープンの日に、外国人観光客の多さを目の当たりにし開発を決定。
抹茶を使った海外のお菓子は甘いものが多いため、愛知県の西尾産の抹茶を使って、濃さと苦さにこだわった飛騨高山店だけの商品です。
久遠チョコレートの夏目浩次さん:
「これだけ色々な海外の方に“デリシャス”と評価してもらえるのは、スタッフの自信になります」
多様な働き方を広げる夏目さんと、スイーツの人気シェフがコラボしたこの店。
シェ・シバタの柴田武シェフ:
「観光地って色んな人が来て、一回だけとかやっぱり多い。その中で日本の職人として、その味にこだわる、素材にこだわるというものが、観光地でも食べられるんだと伝えていける、そんなお店にしたいですね」
久遠チョコレートの夏目さん:
「色々な事情があって働けない方、働く機会がない方たちがまだまだ日本にたくさんいる。決して『できない存在じゃないんだ』と、日本だけじゃなくて、このお店を通して世界の皆さんに知ってもらえたらなと思う」