豪雨が襲った愛知県岡崎市で、浸水した車に取り残された男性が、全国に2台しかない消防の特殊車両「レッドサラマンダー」で救出されました。

 6月2日、岡崎市小美町。水が溢れた乙川沿いの道路で軽トラックが立ち往生し、その荷台に70代の男性が取り残されていました。

 そこに登場したのが、2つの車体が連なった消防の特殊車両です。

【動画で見る】“お膝元”で人命救助…全国に2台の特殊車両『レッドサラマンダー』配備されている岡崎市の水害で6人救出

 冠水した道をものともせず、あっという間に軽トラックに辿り着くと、川の水の流れもある中での危険な作業ですが、すぐに男性を特殊車両に救出。

 そのまま男性を乗せて冠水した道をバックで進み、わずか1分ほどで救助作業が完了しました。

 男性の命を救ったこの特殊車両は、日本に2台しかない車両『レッドサラマンダー』で、岡崎市消防本部に配備されています。

 両生類のサンショウウオを意味する「サラマンダー」の名を冠する水陸両用車で、これまでに大分や岡山の豪雨災害にも出動し、人命救助に活躍してきました。

岡崎市消防本部中消防署の係長:
「沼地だったり、水に浸かったような所に入っていくことができる車両となっております。これ(クローラー)がいろんな土砂現場でもかみついてくれるので、色んな現場に入っていけますね」

 水陸両用の名の通り、水深1.2メートルほどまで走行可能で、土砂の上も進むことができます。さらに後部には…。

岡崎市消防本部中消防署の係長:
「負傷者の方を搬送するための担架だったりとか、こういう浮き輪とかを常に携行しております」

 レッドサラマンダーは、全国に2台しかない総務省消防庁の車両で、岡崎市と大阪市の消防に配備されています。今回その岡崎市で水害が発生したこともあり、いち早く現場に出動し、市内で水に浸かった車や、浸水した住宅から男女6人を救出しました。

 大活躍のレッドサラマンダーが岡崎市に配備されている理由を聞きました。

岡崎市消防本部中消防署の係長:
「(岡崎市が)日本の真ん中くらいに位置していることと、災害があった時に東にも西にも行きやすいという地域柄もあって、岡崎市消防本部に配備されました。大雨だったり土砂崩れがある現場とかでも、要救助者の元まで辿り着けるのはこの車両のおかげだと思っております」

 10年前に配備され、全国の災害現場で活躍してきたレッドサラマンダー。経験を積んだ隊員らの活躍もあって、今回おひざ元の岡崎市で人命を救いました。

※画像の一部は「YouTube ちんあなごチャンネル」提供