名古屋の映画文化の灯を消さない…新ミニシアター『ナゴヤキネマ・ノイ』16日オープン 全国のファンの支援で
2023年の夏に閉館した名古屋・今池のミニシアター「シネマテーク」の跡地に、新しい映画館『ナゴヤキネマ・ノイ』が16日にオープンします。
■ファンに愛された「名古屋シネマテーク」跡地についに誕生
16日にオープンする「ナゴヤキネマ・ノイ」は、名古屋シネマテークだった場所で座席も壁も一新し、高級感あふれる館内に生まれ変わりました。
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共同代表の永吉直之さんは、オープンまでの道のりを次のように語りました。
永吉直之共同代表:
「苦労というか心配しました。間に合うのかな、いつオープンできるのかと」
■新型コロナが追い打ちに…全国で閉館相次ぐミニシアター
1982年に開館した「名古屋シネマテーク」は、ヨーロッパ映画やドキュメンタリー映画などを上映し、全国のミニシアターを引っ張る存在として映画文化を発信してきました。
永吉さんは映画が大好きで、アルバイト時代から30年近くスタッフとして働いてきましたが…。
永吉直之支配人(2021年5月):
「うーん…大変厳しいなということしかないですね。赤字を生み続けてやっていけるのは限度がありますので」
ネット配信の普及に新型コロナが追い打ちとなり、来場者が減少。老朽化も重なり、41年の歴史に終止符を打つこととなりました。
2023年3月には、名古屋市東区にあったミニシアター「名演小劇場」も休館しています。
名古屋のミニシアター文化に黄色信号が灯りました。
■全国のファンに支えられ…目標の3倍近い寄付集まる
そんな中、2023年12月に永吉さんら元スタッフが協力を呼びかけたのが、新しい映画館を作るためのクラウドファンディングでした。
永吉直之共同代表:
「ミニシアターがどんどん減ってしまっていて、そこで本来上映したい、上映されるべき映画があるわけで、なんとかもう一度やってみたいなと」
街には映画館が必要。地元・今池の文化をともに守ってきた仲間たちのもとも訪ねて回りました。
シマウマ書房の店主:
「ミニシアターが頑張っているんだったら、僕らも頑張ろうという気持ちになるし。頑張って宣伝します」
寄付を募って2カ月後、目標の1000万円に対して集まった金額は、1597人から2708万円9635円と目標の3倍近くになりました。全国から、一般の映画ファンはもちろん、出演者など著名人からもエールが届きました。
永吉直之共同代表:
「責任の重さを感じます」
■この時代に長く愛される映画館へ
心地よい環境で映画を楽しんでもらうための改装工事も、急ピッチで進めました。
永吉直之共同代表:
「入口は段差があったんですけれどもスロープにしました。建物自体が階段がどうしてもあるんですけども、場内はバリアフリー的なことで」
永吉直之共同代表:
「椅子本体は前の物を流用しました。クッションを入れかえて、カバーも張り直しました。座り心地は全然違うと思います」
さらに、看板ロゴのデザインやチラシ作りは名古屋芸大の教員や学生が担当してくれました。
名古屋芸術大学・非常勤講師の谷野大輔さん:
「ちょっと温かみを生み出したかったので。手書きで書いたんですよね、全部」
今池のライブハウスのオーナーも、スピーカーや配線などの調整を無料で申し出ました。
開館まであと9日に迫った3月7日、「ナゴヤキネマ・ノイ」の看板もビルに取り付けられて準備は完了しました。
内覧会に訪れた映画ファンも胸を高まらせます。
映画ファン:
「閉館がショックだったので、復活しますというニュースは本当にうれしくて」
別の映画ファン:
「名古屋シネマテークに通っていたんですけど、新しく開館すると聞いて支援したいなと思って」
内覧会にはライバルの姿も…。名古屋駅近くのミニシアター「シネマスコーレ」の木全代表です。
シネマスコーレの木全純治代表:
「うれしいを通り越して、良くやったなと。これからもライバルとして切磋琢磨していきたいと思います」
来場者の確保など、今後も厳しい経営が続くとみられるミニシアター。名古屋の映画文化の灯を消さないため、永吉さんたちは長く愛される映画館を目指します。
永吉直之共同代表:
「今池の皆さんの後押しでできた劇場なので、この街も一緒に楽しんでいただけるといいなと思います」
「ナゴヤキネマ・ノイ」は16日にオープンし、こけら落としは名古屋掖済会病院の救命センター・ERのありのままを描き出したドキュンタリー映画「その鼓動に耳をあてよ」が上映されます。