ここ数年不漁が続き“高級魚”となっていたサンマが、2024年は豊漁となっています。北海道では『1尾18円』と破格の値段となっていましたが、東海地方でお値打ちに手に入れられるのか、スーパーや市場関係者に聞きました。

 サンマ水揚げ量で日本一を誇る北海道・根室市の花咲港では、今シーズン初の水揚げ量は約67トンで、23年の140倍でした。

「競り」も、過去最高値だった23年の価格と比べ、わずか200分の1でした。札幌市内の鮮魚店では、『1尾18円』と破格の値段がつけられていました。

【動画で見る】札幌では衝撃の“1尾18円”…にわかに列島沸かせた『サンマフィーバー』連日の豊漁でお値段いかほどに

“庶民の味”だったはずが近年は不漁が続き、『高級魚』になっていたサンマですが、24年は値段も期待できそうです。

 愛知県瀬戸市のスーパー「新鮮市場いせや」では、新サンマが『1尾298円』で販売していました。

 札幌の『1尾18円』と価格差が開く理由の1つが、「台風」です。

 関東から北上した台風7号の影響で、豊漁だった根室のサンマは飛行機での輸送がかないませんでした。そのため、現地・北海道などでは『ご祝儀価格』で販売となりましたが、その恩恵は東海地方まで届かなかったというわけです。

新鮮市場いせやの担当者:
「市場から送られてくるサンマの情報なんですが、この数字も漁が始まったばかりと考えると、去年の何十倍の世界だと思います」

 売り場担当者によると、この時期に獲れるサンマの量としては、24年の出足は好調で、8月20日の店頭価格の298円は、23年の同じ時期と比べると3分の1から半額以上安いといいます。

客:
「去年に比べて安くなったので、早速家族で食べます。去年は食べられなかったので。(去年は)高いから、倍の値段したから」

新鮮市場いせやの担当者:
「連日、豊漁が続いていますので。現状298円で売ることができていますので、見通しは明るいと思います。10月ぐらいに入ったら大丈夫だと思います。1本100円くらいの売価でいけると思っております。サンマは遠い存在でしたけど、今年は庶民の食卓に並んでもらえると思っています」

 名古屋市中央卸売市場によると、北海道産の生サンマは、8月20日だけで約600キロ入荷していて、1キロあたり1080円から3240円で取引されているといいます。

 不漁が続いていたここ数年は、市場からため息がもれ続けていましたが、24年は「大きいサイズが安く提供できている」と話します。

名古屋海産市場の担当者:
「去年に比べたら、大きいサイズが安く提供できていると思います」

 札幌では「18円」という、衝撃のお値段でお店に並んでいましたが…。

名古屋海産市場の担当者:
「あれは僕たちからも考えられない相場なので、参考にしていただきたくない価格なんですけど。(北海道からの)輸送費・コスト・選別・サイズなどが含まれてくるので、(愛知県では)その単価で提供できるような流通にはなってないんですけど。でも、この水揚げの数量が続けば安定してくると思います。その頃が一番おいしいサンマになってくるのかな」