――出来るなら起こしたくない “モメゴト”。しかし、面倒を乗り越えて相手と向き合うことが幸せにつながる。そんなメッセージを届けるこの作品で連ドラ初主演を務める白石さんの意気込みをお伝えします。
昼ドラは初めてですが、参加して「チームワークが大切な現場だ!」と思いました。昼ドラは毎日の放送なので、1日にたくさんの量を撮らなければいけません。しかし、私も含めてスタッフ、キャストの皆さんがそれを覚悟の上で「良いものにしよう」という気持ちがあるので、現場に一体感があり、とても良い雰囲気です。ものにしよう」という気持ちがあるので、現場に一体感があり、とても良い雰囲気です。
私が演じている夏希は設定がすごいですよね。以前は教師でしたが、そこから司法試験に合格して。司法試験に合格するのって、調べれば調べるほど大変なことが分かったし、生半可な気持ちでは成し得ないと思います。夏希はそれだけの目標を達成するバイタリティーを持っている人。さらに正義感も人一倍持ち合わせているんです。私自身、ドラマを見ていて、セリフに救われたり、登場人物のがんばる姿に勇気をもらえたりすることがあります。この作品や夏希の奮闘からも、見てくださる皆さんに、以前私がドラマからもらった勇気や励ましを感じていただきたいし、そういう作品にしたいという使命感もあります。
スケジュール的には週1回リハーサルがあることがとても助かってます。台本を読むと、自分の頭の中にビジョンが浮かびますが、セリフを立って言うのか、座って言うのかでまた違ってきますし、そのとき、相手の目を見るのか、見ないのかでも違ってきます。また共演者の方と言葉を交わして、こう来るならこうしたいとか感じることもあり、実際にやってみることで想像力が広がりますね。リハーサルから撮影の日までいろいろ考える時間が、作品をより良く深める時間になっていると思います。
今回、さらにありがたいのが(中村)玉緒さんの存在です。胸をお借りするつもりで飛び込ませていただきました。玉緒さんはとても朗らかだし、こんなことを言ったら失礼かもしれませんが、とても可愛いらしくてチャーミングな方。私は昼ドラを初めて経験してビックリしているんですが、実はすごくお腹が減るんです。食事をしてもすぐに、ですよ(笑)。ずっとぼう大な量のセリフをしゃべっているからか、エネルギーを消費しているんでしょうね。あるとき、私が空腹なのに気づいた玉緒さんが「半分でいいので、食べておきなさい」とバナナをくださったんです。「もう、なんて愛のある方なんだろう!」と思いました。
「昼ドラの現場は大変」というのはよく聞く話なので、最初はどれだけのボリュームのセリフや撮影なんだろう、と思っていました。でも撮影が始まって約1カ月。もっとすごいことになるかと思いきや、今はそんなには…。それにまだ弱音を吐く段階ではないですから。スタッフの皆さんは連日連夜、撮影とその準備にあたっています。チームが一丸となって、より良い作品を視聴者の方々にお届けするため、皆さんがそれぞれ自分の役割の中で頑張っています。玉緒さんからもかつての昼ドラの現場のお話をうかがったことがあって、今では信じられないくらい大変なこともあったそうです。そういう時代を経て、今も第一線で活躍されている先輩を見たら、弱音は言えないですよね。
先日、早朝から外でのロケ撮影がありましたが、もう極寒で風が身にしみて(笑)。口が回らない中、何とかセリフを言いましたが、そのあとスタジオに戻ったとき、スタジオで撮影できる幸せをかみしめました。「あ、寒くない」と(笑)。撮影の分量は確かにありますが、大変だと思っていることも見方をいかに変えるか、発想の転換ですよね。それは夏希のバイタリティーや、作品の持つパワーがそうさせてくれたのかもしれませんが、「こういうの嫌」とか「寒いの辛い」といったマイナスなものの中に幸せがあるんだよ、と。多分、そういうことを分かった上で物事を見られるようになった恩恵ですよね。それに過酷になればなるほど逃げるわけにはいかないですから。
この作品は毎日放送されるもので、毎話見せ場があります。そこでどう夏希のキャラクターを立たせればいいのか、ドラマのメッセージをどう伝えればいいのか考えた時、セリフが大切な作品になるだろうな、と思ったんです。タイトルにもあるモメゴトは誰だって避けたいですよね。でも、実は掘り起こすことで福があるということを3カ月の放送で伝えるには、私自身も視野を広くしなければいけないと思ったし、そんなことを意識していたらニュースの見方とかも変わったんです。作品のメッセージと同じ目線で見ることで風景が広がった気がしています。夏希やさくら所長は毎回難題を扱いますが、それをどんどん解決していくので、こういう切り返し、切り口もありなんだな、と思っていただける作品ですし、作品自体にパワーもあります。新年にふさわしく、見てくださる皆さんにも福を届ける気持ちで取り組んでいます。