新型コロナウィルスの影響で、東海地方の各地でもマスク不足が起きています。品切れ状態に頭を抱える薬局、それに便乗する高額転売。取材で実情が見えてきました。

 5日、横浜港に停泊する豪華クルーズ船の中では…。

<船内放送>
「感染拡大を防ぐため、皆様にはご自身の客室に戻り、待機をしていただけますようお願い申し上げます」

 3700人ほどを乗せたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で、新たに新型コロナウィルスの感染者が出ていたことが分かりました。

 厚生労働省によりますと、陽性反応が出たのは男女10人、このうち3人が日本人で60代の男女と、50代の女性だということです。

 重症患者はいませんが、5日朝、感染した10人を神奈川県内の病院へ搬送。残りの乗客は、船内にとどまっていて、咳や発熱などの症状がある241人の検査には数日かかるとみられています。

 感染が広がる新型肺炎の影響は、東海地方にも…。

 名古屋市営地下鉄・市役所駅で改札を通った人のマスク着用者を数えてみると、6割を超えていました。

利用客:
「やっぱり人混みなので、こういう交通機関だとか。なんとなく予防のために」

別の利用客:
「手作り(のマスク)。オシャレではなくて(笑)自分で作るようになりました」

 マスクをしているのは乗客だけではなく、運転士や車掌も。名古屋市交通局も、新型肺炎の感染拡大を受け、1月末から職員のマスク着用を義務づけました。

 新型肺炎の予防に欠かせないマスク。しかし、急増するマスク需要を受けて、街では困ったことが起きています。

ドラッグストアのマスクの棚は空っぽ…。お客さんも困惑しています。

女性客:
「なかったんで…もう5、6軒行ってます。困るなと思いますね」

別の客:
「もうちょっとだけ探してなかったら、あんまり呼吸をしないように(笑)」

 取材した薬局では最後に入荷したのは5日前。次にいつ入ってくるかも不明です。

店長:
「もう本当に異常事態だと思ってます。今、毎日色んなマスクを発注してるんですけど、たまたま引っかかったマスクが入ってくる状況になっていまして。入ってきたら、もう1時間以内には確実に売れていますね」

 どこの薬局も同じように品薄状態が続いているんだそうです。マスクが買えるところはないのか…。名古屋・栄の久屋大通公園沿いにあるコンビニを実際に回ってみると、ほぼ全ての店が売り切れ状態でした。

 コンビニからも薬局からも…街から消えたマスク。しかし調べてみるとインターネット上では…。

 50枚入りで定価405円のマスクを、約25倍の1万500円で販売。

さらに160枚セットで35万円、マスク1枚が2000円の計算となる出品も。新型肺炎の流行を逆手に取った転売とみられる高額マスクが続々と出ていました。

 国では、業界団体にマスクの安定供給を要請していますが、品薄状態解消のめどは立っていません。