新型コロナウイルスに感染し「ウイルスをばらまく」などといって、飲食店を訪れた愛知県蒲郡市の男性が18日午後、入院先の病院で死亡しました。男性には持病があったということです。
死亡したのは蒲郡市に住む50代の男性です。
3月4日、新型コロナウイルスに感染したことが判明したその日に市内のフィリピンパブを訪れ、警察が駆けつける騒ぎになっていました。
男性はその後、県内の病院に入院していましたが、捜査関係者によりますと意識不明の重体となり、18日午後1時ごろ死亡が確認されました。
「ウイルスをばらまいてやる」3月4日、家族にこう告げて家を出た男性。自宅を出て居酒屋に寄ったあと、午後6時すぎにフィリピンパブに入りました。
男性:「ママ、俺あの子指名」
横に座り接客に当たる女性店員。肩に手をまわし、時には手を握り…。この日、20分ほど男性を接客しましたが、感染したのはこの女性ではありませんでした。
店のオーナー:
「コロナ陽性の男性が(店の)営業前に入ってきました。まだ店が準備中なので、入ってすぐの席に横になっていたと思うんですけど。その横になってた席に(男性を)席を案内した後に座っちゃった子ですね。そこで化粧したりしてたという話は聞いていますけど。(男性とは)全く接触していない女の子なんで…」
6時ごろ入店した男性はまず待合のソファーに座ります。ソファーで時折、横になる男性。
数分後、店員に促され、男性は席へと向かいます。
その2分半後、ソファーに座った女性店員。化粧などをしたあとソファーを離れました。実はこの女性店員に感染が確認されたのです。
店のオーナー:
「(男性に関わった人には)検査をお願いして、陰性だったので安心していた矢先にこの一報で、言葉を失っちゃいました。(陽性だった女性従業員は)『泣きじゃくっていた』とは聞いていますけど…」
店内のソファーで横になっていた男性。当時、発熱など新型コロナウイルス感染による目立った症状はなかったといいます。
一方で、保健所が家族から聞き取ったところによると、男性には『がん』の持病があったということです。
騒ぎから2週間たった今も店は営業を取りやめたまま。
オーナーは警察に被害届を出し、警察は業務妨害の疑いで捜査を進めていました。
店のオーナー:
「今日昼過ぎですね、突然亡くなったと連絡をもらいまして、ただ驚きとしか言いようがないですね。本人もなりたくてコロナウイルスに感染したわけじゃないし…。ただ、とった行動に対してはテロだなっていう。怒りしかなかった」
これで、愛知県の新型コロナウイルス感染者の死者は15人となりました。
これまで死亡した14人はいずれも名古屋市内のデイサービス施設の利用者やその親族・知人のクラスターでしたが、それ以外では初めての死者となります。
また50代の感染者の死亡は年齢が公表されている中では愛知県で初めてです。
※画像と動画の一部は店提供