新型コロナウイルスの影響で外出せずに家で過ごすことが多くなっています。感染拡大を食い止めるために必要なことですが、そうなると、せめて食卓だけでも華やかにして楽しく過ごしたいものです。
名古屋市内の大手スーパーでは27日から、高級食材をお値打ちに販売するセールが始まりました。
(リポート)
「鮮魚売り場を見てみると、まるで市場のような品揃えです。色鮮やかな金目鯛に伊勢エビまで。普段はなかなか手が出ない豪華な食材がお値打ちに並べられています」
伊勢エビが980円。
真鯛が1980円。
魚介類だけではなく果物も。
(リポート)
「静岡産のクラウンメロンは1玉2500円。普段の半額ほどだということです。食卓に並べると歓声が沸きそうですよね」
いずれも、普段の3割から4割引きで店頭に並んでいます。
イオンリテールの担当者:
「少しぜいたくな商品やおいしい食材を食べていただき、ご家庭の食卓に笑顔と美味しさをお届けしたいと考えております」
店に掲げられたポップには“贅の逸品が到着”の文字が踊ります。
Q.こちらの伊勢エビは普段と比べてどれくらい安い?
鮮魚売り場の担当者:
「約半額くらいでご提供させていただいています」
Q.この伊勢エビはどうやって食べると美味しい?
「もちろん生きていますのでお刺身でもいいですし、頭の部分はだしをとって汁物で食べていただくといいんじゃないかと」
黒鯛を買った男性:
「刺身と塩焼き。贅沢したい」
中トロを買った女性:
「外食と思えば、ちょっと食材を豪華にしてもいいんじゃないかなと考えて…」
こうした高級食材の販売。背景にあるのは。
江藤農水相:
「倉庫に和牛の在庫が積みあがってこれ以上、入りません。生産から流通、消費の流れをですね、何とかする施策は必要になる」
27日朝の閣議後の会見でそう話した江藤農林水産相。外食需要が落ち込み、本来消費されるはずだった高級食材の流通が滞ってしまっているのです。
こうした消費の減少はもちろん果物や水産物にも。
江藤農水相:
「北海道のメロンとか、マグロ、それからカニ、富山湾で言えばホタルイカとか。高級食材であればあるほど売れない」
肉も魚も、果物も…売れなければ生産者の収入は途絶えてしまします。
取材したスーパーでは、小売業者として生産者を応援する気持ちも込めているのです。
新型コロナウイルスの影響で経済も大きなダメージを受けている中、消費が落ち込んだ日本の農林水産業もまた岐路に立たされています。