新型コロナウイルス対策で愛知県の大村知事が新たに打ち出した大阪への移動自粛要請。自粛要請で名古屋の街は…そして旅に欠かせない、ある“弁当”にも影響が…。

(リポート)
「JR名古屋駅です。大阪行きの新幹線のホーム、普段の平日と比べるとかなり人が少ないです」

 待つ人もまばらな、名古屋駅の新幹線ホーム。

大村知事が30日新たに大阪府への移動自粛を要請した影響からか、春休みにもかかわらず駅周辺に人は少なく、高速バス乗り場も閑古鳥が…。

 大阪行きの高速バス、定員は40人ほどですが…。

バスの運転手:
「(乗客は)1人だけ…」

 乗客はわずか1人…。

新型コロナウイルスの影響でユニバーサルスタジオジャパンが臨時休園になって以降、急激に乗客が減っているといいます。

バスの運転手:
「(乗客が)ゼロで往復したこともあると、何件か聞いております」

Q.ここまで少ないという経験は?

「閑散期の時にたまにありましたけど、これがずっと連続している状態なのでこういうのは初めてですね」

 そんな中、大阪へと向かう人は…。

50代女性:
「父が亡くなって今日はお葬式で…。終わって、今日帰ります」

20代女性:
「大阪から来たんですけど、会議があって名古屋の方に来て今から帰ります」

 出張などで訪れて大阪方面へと戻る人ばかり。観光などで向かう人はいませんでした。

 名古屋駅のこの状況に悲鳴を上げているのが、旅に欠かせない「駅弁」の業者。大正時代から続く老舗の「松浦商店」は、新幹線の利用者の減少に伴い売り上げが激減しています。

松浦食品・松浦浩人専務:
「(駅弁の売り上げが)60%くらい落ちている状態です。小池都知事が(外出)自粛を要請、あと大村知事からの東京への移動自粛要請が、モロに影響が出ているのかなと感じています」

 製造担当を3交代から2交代に減らすなどしていますが、先行きが見えない状況に不安を隠せないといいます。

 移動の自粛は三重県でも…。

鈴木三重県知事:
「改めて、8都道府県への不要不急の出張や訪問等は自粛いただけますようお願いいたします」

 鈴木知事は30日、感染が急拡大する東京都をはじめ、愛知県などへの不要不急の移動自粛を要請。一夜明け、三重県桑名市の人たちは…。

女性:
「怖いですね。愛知県もすごく増えているので」

男性:
「毎日不安ですよね。みんな電車のつり革も触らないですし」

 三重県北部の桑名市は近鉄の急行電車を使えば名古屋まではおよそ20分。

県のデータでは、人口およそ14万人のうち、県内最多の1万2500人以上が愛知県に通勤するいわば“ベッドタウン”です。

 名古屋方面に向かうみなさん、移動自粛要請には前向きですが…。

桑名市民:
「(自分の業務が)テレワークが不可能な業務なので、どうしても行かざるを得なくて…」

「仕事だから仕方ない」という人が多い様子。

 一方で、1日から新年度、勤務先の愛知で仕事後に一杯という機会もありそうですが…。

Q.歓送迎会のシーズンですが?

男性:
「もちろんそこは、自分は前から避けていますので」

女性:
「異動時期で送別会等もありますけれども、会社の方も自粛しておりますし…」

 皆さん一様に緊張感をもっている様子でした。

男性:
「むやみに外に出て広げることは考えられない」

女性:
「三重県に持ち込まないように、マスクとか手洗いうがいしていきたいです」