「話が進むにつれ、それぞれのキャラクターもはっきりしてきましたが、奈緒子さんはフレッシュで柔らかい感じ、志乃さんは渋くて落ち着きがあり、さらに粋な感じ、瑠璃子は若々しくヤングな感じの着こなしを目指しています。また、奈緒子さんと瑠璃子さんは色に統一感を持たせ、グラデーションで遊ぶ着こなしですが、志乃さんは帯揚げと帯締めでポイントを作る着こなしです」

　皆さんは本作で奈緒子と瑠璃子がどれくらいの枚数の着物を着ていると思いますか？　実は８枚を使いましているんです。放送を観ていると、もっと多く着ている印象を受ける方もいると思います。
「まず、とっぴなコーディネートはしていませんから。着物や帯、１点だけ強烈な印象が残ってしまうコーディネートにしてしまうと、後々その１点だけが目立ってしますよね。奈緒子さんと瑠璃子さんは、着物も帯も小物も主張せず協調性を持たせた着こなしを心掛けています」

　奈緒子と瑠璃子は洋服のシーンもありますが、志乃は全編着物。老舗旅館の大女将でもあるだけに、着物にも相当力を入れています。
「帯は比較的よく使うものもありますが、志乃さんは基本、着物も帯も新規で行くようにしています。着物100点、帯50点を用意しました。帯揚げと帯締めはこちらでも用意しましたが、野際さんも私物をご提供してくださり、それぞれの箱にグラデーションで並べ、さっと選べるよう準備します。野際さんの小物のチョイスの仕方は長年着物を着てきだけに洗練されています。時にこちらがハッとするような組み合わせにすることもあり、大変勉強になります」