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大・大・大ベテラン女優、志賀眞津子さんを紹介

 先週の放送で、宗佑がいろいろとお世話をした足の不自由な日向という宿泊客の女性が登場しました。この役を演じた志賀眞津子さんは今年で85歳。芸歴50年の大ベテランです。デビュー作は日本映画界を代表する小津安二郎監督の「麦秋」だという志賀さんに、「花嫁のれん」出演の感想をうかがいました。

――ドラマへの出演は久しぶりだそうですね。
「4,5年ぶりになるかしら。長いこと“老々介護”をしていたんですよ。ですから、今回この作品への出演依頼をいただき、『出来るかしら』と不安だったんですけど、どうにかセリフも覚えられたし、私、足があまり良くないんですけど、そういうことも役に反映していただき、どうにか演じることが出来ました。何より、このドラマに出演してすごく元気になりました。少しボケかかってたんですけど(笑)、日向さんを演じて脳がよみがえった気持ちです」
――とても長いキャリアをお持ちですが、演技に対して思っていることはデビュー当時と今では違いますか?
「そりゃあ違いますよ。若い頃は失敗しちゃいけない、という気持ちが強かったですね。でもそんなことばかり思っていたら、自分の良いところなんて出せません。年を取ったら、開き直ったというか…。ありのままで演じられるようになりました」
――この作品はご年配の方もたくさんご覧になっていますが、志賀さんは同世代の方に何か伝えたいことはありますか?
「目標とまでいかなくても、『こうしたい』とか『こうなりたい』とか希望を持って日々を過ごすと、人生って違ってくると思うんですよ。私も今回、この作品に出ることで、こんなに元気になるとは思ってもみませんでした。体全体の細胞が活発に動き出した感じです。視聴者の皆さんにもいろんな希望を持って欲しいですね。私は年取った自分が大好きなの。若い頃にはなかったものをいっぱい持つことが出来たので。皆さんも1日1日を愛しみ、元気に明るくお過ごしいただいたいですね」
――今後も女優業を続けていかれますか?
「やらせていただけるお役があれば。思うんですけど、私が出てきたらホッとする役者になりたいんですよ」
――失礼ですが、それだけ年齢を重ねても“なりたい”という気持ちをお持ちなことに驚きました。
「今回はすごくわがままなおばあちゃんの役でしたけど、どこか憎めないところがあって、出てくると視聴者の皆さんを笑わせるような存在になれたらいいな、と思いながら演じました」
――そういう前向きさがとても大切なんですね。
「“私はもう年だから”なんて思わなくていいんですよ。私自身、時々『え、もう85歳なの!?』なんて思う時があるし、あんまり年を取ったことが嫌じゃないですよね。これくらいの年になると、若い頃には見えなかったものがたくさん見えてくるし、人の気持ちもよく分かるし、年を取るって悪いだけじゃないと思ってます」

――劇中でも日向さんが宗佑と兼六園に出かけた場面で、日向さんが宗佑におぶってもらうのでなく、自分の足でしっかり歩いていましたが、とても素敵なシーンだと思いました。
「台本には宗佑さんにおぶってもらう、と書いてあったんですけど、お年寄りだから何かあるとおぶってもらうより、手を繋いでもらうほうが日向さんの強さが表現できると思うんです。それで私から提案させていただきましたが、あの場面は結構良かったでしょ(笑)。私も気に入ってます」