11月初旬、ドラマの舞台である飛騨高山からクランクイン。“飛騨の小京都”とも称される景観は、ドラマの世界に視聴者の皆さんをきっと誘ってくれることでしょう。桜子を中心に繰り広げられる愛憎の物語を美しく彩るその街並みにもご注目下さい。
寒さの中、順調に撮影がスタート
11月初旬だというのに、現地はかなり風が冷たく、厳しい寒さの中、撮影が行われました。そんな中で桜子役の笛木さんは、白いブラウスに花柄のロングスカート。それに裸足に下駄を履き、第1話の冒頭に出てきた父の郁造を必死に探す場面を、寒さをもろともせず熱演しました。また、比呂人役の徳山さんも酒造りのシーンでは、Tシャツの袖を肩にかけ黙々と作業に取り組む比呂人に成りきっていました。その後、蒸し上がった米が詰められた麻袋を背負って二階に駆け上がる場面の撮影で、徳山さんは何と上半身裸に。前日から現地で撮影している徳山さんは「昨日より寒くないですか?」とスタッフと談笑しつつ、出番を待ちます。この作品は昭和50年代から物語が始まりますが、酒蔵のご主人によると当時は比呂人のように上半身裸で作業をする杜人や蔵人が多くいたそうです。
酒の仕込みや工場のシーンは、元禄8年(1695年)に創業されたという伝統ある酒蔵にて撮影。酒蔵では酒造りのほかにも桜子と比呂人がお互いの気持ちを確かめあう場面などの撮影が行われました。「タンク内にある酒が立てる“ポコポコ”というかすかな音を聴きながら撮影していると、桜子と比呂人の愛がより濃密に描かれるようで、とても良いシーンが完成しました」とプロデューサー。酒蔵には 独特の“匂い”が漂い、当時にタイムスリップしたかのようでした。
地元の協力で祭を忠実に再現
第4話(1月10日放送)に登場する、地元の祭り「高山祭」の場面が桜山八幡宮に続く参道で撮影されました。実際のお祭りは10月に開催されるもので、日本三大美祭の一つに挙げられる華やかなもの。今回は地元の観光協会などの協力により、祭の様子が忠実に再現されました。現地からはエキストラで約70人もの市民の方が参加。皆さん、まさに“昭和50年代”という髪型やファッションで撮影に臨みます。裃姿で行われる祭行列も再現され、これには観光で訪れていた外国人たちが喜んでカメラのシャッターを切る姿も。ちなみに放送ではほんの数分のこの場面。午前中いっぱいかけて撮影され、祭り行列の行進も20回以上行われました。
心も体も温まる素敵なサプライズ…
夕暮れを待って撮影されたのは、桜子と比呂人の密会の場面を桜山八幡宮の境内で撮影しました。笛木さんや徳山さんだけでなく、桜子の兄、勝役の松田賢二さんも時代を感じさせるスタジャン姿です。撮影は深夜まで行われましたが、寒さも一層厳しくなる中で、徳山さんがみんなのために豚汁を用意。温かな湯気に体も心も癒されたのでした。