この作品を象徴する場所である桜の木の下で、車椅子に座った笛木さんは、桜子の最期を静かに演じます。最後の最後にそっと目をつぶり、星田監督から「カットッ！」との声がかかり、さらにスタッフの方の「これにて『さくら心中』オールアップとなります！」と声がかかると、笛木さんは「は～、終わっちゃった」とポツリ。その後、涙をこらえながら「松田さんの悪ふざけや星田監督の毎朝の“ハグ”にもようやく馴れましたが(笑)、素敵なスタッフ、キャストの皆さんに囲まれ、私は本当に幸せ者でした。最後のシーンでのセリフはなかなか入らなくて。『このセリフを言ってしまったら、撮影が終わってしまうんだ』と思うと、どうしても…。本当にありがとうございました。『さくら心中』は私にとって一生涯忘れられない作品です」と挨拶。

　星田監督は「笛木さんよく頑張った！」と言って、さらに“笛木！ 笛木！ 笛木！”とシュプレヒコールを。最後までテンションの高かった監督の行動に、照れながらも笑顔を見せた笛木さんでした。 　他のキャストの皆さんもクランクアップの際には「さくら心中」に対する愛情を感じさせるコメントを。昼ドラに本格的に挑戦した徳山さんは、「改めて俳優としてたくさんのことを学びました」と語り、語りを担当した松田さんも「『さくら心中』に出演できたことは僕の誇りです」と。途中参加でそれぞれに難役を演じた林さん、佐野さん、真山さんも自身の最後のシーンを撮影後、充実の表情で「ありがとうございました！」と。３人ともに、多くのものを得たのは確かなようです。　

　スタッフ、キャストが愛し、また視聴者の皆様からも多大な愛をいただいた「さくら心中」。最後まで応援していただけたこと、厚く感謝いたします。