桜子と比呂人が愛し合う姿を目撃し、興奮のあまり亡くなってしまった唯幸。亡くなり方に秀ふじは「あのエロジジイ…」と思わずこぼしていましたが、その個性があまりにも強烈だったことは確かなこと。彼が放った衝撃的ともいえるセリフの数々から、故人をしのびたいと思います。
「ちょっとした水漏れの穴でも、早いうちに塞いでおいたほうが後々のためや」
第3話より。勝が雄一を殴った件で郁造に連絡してきた唯幸。両家の仲がこじれないように、とのことを上記のように表現を。記念すべき初登場場面では、遠回しな言葉遣いが印象的でした。
「今のところ、息子の嫁じゃ。眺めるだけで満足しとるわい」
第11話より。執念で桜子を雄一に嫁に迎え、秀ふじにこう一言。秀ふじでなくても、「眺めるだけで満足なんかするはずない」と誰もが思ったはず。
「サカリのついた犬猫みたいに!」
第23話より。桜子と比呂人の密会を目撃して。当時唯幸は65歳。このときは、そのまま自分が亡くなるほど、弱くはなく。
「秘密ついでにもっと秘密のことをしてみんか?」
第24話より。比呂人のことに乗じて、自分とも浮気をするようせがむ唯幸。まさに抜け目なし。
「逃げるよりも死ぬほうが気持ちよかったちゅうわけじゃな」
第25話より。心中を快感だと思えるこの思考。ある意味、あっぱれ。
「年寄りのたったひとつの願い、叶えてくれ」
第28話より。元気なお年寄りに限って、人に頼みごとをするときだけ、自分を年寄りだと言うこと、よくあります。
「果実は熟れに熟れて、わしの手の中に落ちてくる」
第29話より。こうつぶやいた後、“ひっひひひ”とニヤけ顔を。桜子への執着はもはや表彰ものかも。
「養女にして、お前との愛を実行する」
第30話より。冷静に聞くと意味不明のような…。
「いまだにわしの頭蓋骨の底まで焼き付いとるわ」
第38話より。直訳すると、“忘れられない”ということですね。
「頭のクラクラするようなあんなこと」
第40話より。桜子に比呂人と密会しているのかと詰問。言い方がいちいち“エロジジイ”な唯幸。こうなってくるとおちゃめに見えてきたりして。
「そばにいて、比呂人と愛しあってくれるほうがずっといい」
第43話より。桜子にこう言って懇願した唯幸。この後、唯幸はまたしても桜子と比呂人の密会を目の辺りにして天国(地獄?)に召されることに。どうぞ、安らかに眠ってください。