'08年に女優業を開始してから、順調にキャリアを積んできた小島さん。本作でついに連ドラ初主演を飾りますが、作品へのあふれんばかりの思いや意気込みを紹介します。
――制作発表はたくさんの記者の方が来てくれましたが、いかがでした?
「市野(直親プロデューサー)さんが私のことを『東海テレビの昼ドラで通算190人目のヒロインです』と紹介してくださったんですが、それだけの歴史の重みを感じました。またこの作品は昨年に続いてのパート2なので、『たくさん記者の方が来てくださったのは期待されているからこそだから、さらに頑張ろう』という気持ちにもなりました」
――会見では、初の連ドラ主演なので初めての経験をたくさんしています、と言ってましたね。
「主演として記者会見に参加するのも初めてでしたが、すごくうれしかったです。それに正直、気持ちよかったです(笑)! 撮影でも本当にいろいろなことに初挑戦しています。普段は明るい希望の、悲しい過去のシーンを撮ったときは心身ともに大変なことが多くて、印象に残ってますけど、第1週で沙也香にまつわるあるエピソードがあり、ものすごく泣ける場面が出てきます。沙也香はおっちゃんや孝介と同じようにパート1から出ているキャラクターだから、演じる皆さんの絆というのは最初から強いものがありました。撮影が進んで、その泣ける場面を撮ったとき、私もパート1のときからたんぽぽ農場にいたような気持ちになったんです。多分、沙也香役の(佐藤)未来ちゃんや孝介役の(高橋)賢人くんがそれまでに、パート1のとき現場であったことをいろいろ話してくれていたおかげで、私の中にいろんな気持ちが芽生えていたからかもしれないです。こんな経験もやっぱり初めてのことで、強く印象に残ってます」
――パート1のメンバーに強い絆を感じる中、新加入で主演を演じることにプレッシャーはありませんでしたか?
「昨年の夏、私は本当に一視聴者として『明日の光をつかめ』をリアルタイムで観ていたんです。ちょうど夏休みで、“明日ピカ”はそれまでこの枠で放送してきた作品とはちょっと雰囲気が違う“青春物”って感じだったので、観ていて心惹かれたし、とてもおもしろかったです。今回、主演として参加できると聞いて、まずこの作品をまた観られることがうれしかったですね。ましてや主人公を演じられると聞いて、感動しました。確かに、(渡辺)いっけいさんを始め、パート1のメンバーには最初から“絆”というものを感じ、パート2で前作以上の絆を作ること、前作以上に素敵な作品にすることは難しいと思いました。でもパート1のときのいろいろなエピソードを聞いていく中で、『パート1のときはこうだったら、今回はこんな風にしよう』とたんぽぽ農場のメンバー全員でいろいろ相談するようになったんです。だからパート1のときのことを知ることも、今ではすごくいいことだと思っています」
――“明日ピカ”を観ていたらのなら、おっちゃんに会えたことやたんぽぽ農場に来れたこともうれしいのでは?
「そうなんです! 撮影に入った当初はテレビで観ていた風景が広がっていることが不思議でしたけど、でも熱心に観ていたから、なぜか懐かしさも感じて。いっけいさんのことも『あ、おっちゃんだ!』って思いました(笑)」
――いっけいさんとは初共演ですか?
「それが私の女優デビュー作『キミ犯人じゃないよね?』で共演しているんです。とは言え、同じシーンに出ることはほとんどなくて、ご一緒したのはほんの数回でした。だから私のことも覚えていないだろうな、と思ったんですけど、この現場で最初にお会いしたとき、『どこかで会ったよね? 初めて会った気がしない』とおっしゃってくれたんです」
――デビュー作で共演し、初主演作でも共演、とはいっけいさんとご縁があるんですね。
「こうしてご一緒できていることはすごくうれしいですね。いっけいさんは俳優としてもとても尊敬できるし、とにかく優しいんですよ。私を始め、新メンバーが緊張して戸惑っていると、すぐそれに気づき、いろいろなアドバイスをしてくださるんです。子供たちがわいわいガヤガヤ騒いでいても、『何やってるんすか?』なんておちゃらけながら私たちの輪の中にどんどん入ってきてくださるので、まさに“たんぽぽ農場のおっちゃん”そのものですね」
――とても良い雰囲気で現場に入れたようですが、すぐ希望という役柄をつかめましたか?
気持ちはすぐに入り込めました。私は希望って喜怒哀楽が激しい女の子だと思っているんですけど、蓮くんの前や“たんぽぽ”のメンバーたちと一緒のときは、ニコニコ笑っているんですよね。でも、おっちゃんの前では素直に泣くし、一人のときは悲しい表情もよくしています。その場面ごとにしっかり気持ちを切り替え、演じることを今は大切にしています」
――昼ドラの主人公は出番も多くて大変では?
「1日の間で、『こんなにシーンがあるんだ!』っていうくらいものすごいスケジュールのときも正直あります(笑)。それでも最初は今のシーンはどのシーンの前なのか、それとも後なのか考えつつ、把握しつつ演じていたんですけど…。撮影がどんどん進み、台本をどんどんもらい、気が付くと、とにかくその場面を演じるだけでいっぱいいっぱいになってしまって。今は他のメンバーがいると、『この場面の前後は…』と必死に確認し合ってから撮影に入ってます。だからみんながいてくれて本当に良かったです。現場はすごくアットホームですよ。私としてはいっけいさんもですけど、小川(菜摘)さんがいてくれることも本当に心強くて。小川さんはたんぽぽメンバーがあまりに大きな声ではしゃいでいると、『コラー、あんたたち何やってるのー!』と突っ込むように声をあげて、それでまた現場が盛り上がるんです。いっけいさんがお父さんのようで、小川さんがお母さんのようで、こんなに温かい現場ってそうないと思います」
――ところで視聴者の皆さんは、希望と蓮のラブストーリーを楽しみにしていると思いますが。
「もう、演じていても私が照れるくらいこの二人って恋愛に関しては純粋なんですよね。手さえつながなくて、ただ話しているだけなのに、なぜかものすごく恥ずかしくなってしまって(笑)。視聴者の方にも二人のピュアな気持ちを見守りながら、楽しんでいただきたいです。『恋愛って素敵だな、いいな』ときっと思っていただけるはずです」
――物語全体の見どころは?
「まず希望に関しては、一見普通の女の子だけれど、過去を引きずり、立ち直れていないところは演じていても、本当に難しいです。希望の気持ちを私なりに考えて考えて演じているので、そこを観ていただきたいし、私はこの作品はおっちゃんや蓮くんを始め、登場人物皆が抱えているものが深くて、全員が主人公の作品だと思っています。皆のエピソードも見応え十分で、まさに注目ポイントだらけなんです。視聴者の皆さんは毎日、ハマってこの作品を観ていただけると思います」
――最後に、小島さんにとっての“光”とは?
「この現場に入ってよく考えるんですけど、私を支えてくれる家族や友達の存在ですね。劇中で家族に関する辛いエピソードが出ると、温かな私自身の家族のことを思い出すし、私は今高3で本当なら受験勉強で忙しいのに、友達のみんなが『撮影頑張って』とメールをよくくれるんです。『ああ、私はみんなに光を与えられているな』と思うし、私もみんなに光を与えられる存在になりたい、と強く思っています」