置かれた立場は辛いものの、明るく笑って暮らす孝介には視聴者の皆さんからも応援の声が多く届いています。孝介という役に惹きつけられるのは、演じている高橋さんの魅力によるところが多くあるのではないでしょうか?
――昨年に続き孝介を演じましたが。
「今年は撮影に入るときにスタッフさんから、『今回は昨年に比べて小さい子も多いし、経験がある分、孝介(高橋さん)に引っ張っていって欲しい』と言われたんです。正直言って俺、誰かを引っ張るとかリーダーとか、苦手なんですけど、自分に出来ることがあるならそこは頑張ろう、という気持ちでいました。充実感という意味では昨年以上のものがありましたね」
――昨年は大樹役の松川尚瑠輝さんがまさしくリーダーとして“たんぽぽメンバー”を引っ張ってましたよね。
「今回、顔合わせのとき、尚瑠輝くんに『今年は俺がリーダーとして頑張らなきゃいけないんですけど、どうやってみんなを引っ張っていけばいいんですか?』って聞いたら、『自分のやりたいようにやればいいんだ』って言ってもらいました。撮影前はすごく不安でしたが、みんなすごく仲良くなれて…。自分がリーダーになれてるとは思ってないですけど、そんな意識を持ちながら現場にいられたことはすごく良い経験になりました」
――現場の雰囲気はいかがでした? 昨年とは違いましたか?
「昨年とはまったく違いましたね。やっぱりそれは俺自身のモチベーションの持ち方が昨年と全然違ったせいかもしれないですけど…。昨年は自分のことを小さい子たちと同じグループだと思ってたんですよ、16歳だったのに(笑)。今年は“お兄ちゃん”として頑張らばらなくちゃいけなかったし、そうすると感じることもいろいろありました。メンバーの仲の良さは前回も今回も一緒です。みんなとは何でも話せるし、距離がすごく近いんですよ。すごく居心地がいいから、演技も気持ち良くできました」
――今回は小島さんを始め、女子チームが元気でしたね。
「俺、女の子と話すの得意じゃないんですよ。だからそこは圧倒されちゃって。たまに尚瑠輝くんが来てくれると、『尚瑠輝く~ん』って助けを求めてました(笑)」
――すぐに孝介には戻れましたか?
「はい、すぐに。『たんぽぽ農場』のロケ地に行ったり、セットで撮影が始まったりするたび、昨年のことをどんどん思い出してました。『孝介ってこんなお調子者だったな~』って。ただ、今年はときにリーダーっぽい振る舞いをしたり、そうでありたい、という部分があったじゃないですか。そうするとどう演じようか迷ってしまったんです。もう“迷子”ですよ(笑)。ちょくちょく迷子になり、でもそこから正解を見つけようと悩みながら今年の孝介になって、また迷子になって…。まさにその繰り返しでした」
――今回特に、孝介を演じる上で大切にしたことは?
「孝介のボケです(笑)。コメディーとまではいきませんが、孝介のズッコケたところをどう演じればいいのか迷ったときはすぐ監督さんに相談していました。今回、シーンとして重くなると、即興で孝介にボケることをよく求められたんですよ! 今後、そういう演技を求められたとき、もっとしっかり応えられるようになりたいですね」
――孝介には今年、妹がいることが発覚しましたが。
「台本を読んだ瞬間、“え~!”でしたよ(笑)。しかもアイドルですよ! その後の芸能プロダクションの人が突然現れ、お金で他人になって欲しいと言われるなんて…。台本を読んで、あまりにも孝介が可哀想で泣きそうになりました。俺だったら孝介みたいに笑ってなんていられないですよ」
――孝介って強いと思いますか?
「強いような弱いような…」
――では孝介は幸せだと思いますか?
「幸せだと思いますよ。おっちゃんみたいな人と巡り会えたんだから。ただ、家族のことで本当に深く傷ついているなら、幸せだとは言えないですよね。俺は孝介が幸せを感じていてほしいな、と思ってます」
――脚本を手掛ける清水有生さんに話を聞いたとき、高橋さんの演技力、存在感があるからこそ、孝介にこれだけ辛いことを負わせられる、と語ってましたよ。
「そうなんですか。じゃあもしパート3があったら、孝介にもっと辛いことが起きるとか? いや~、そんな展開になったら俺自身が辛すぎますよ!」
――ところで今年もたくさんの視聴者の皆さんがこの番組を応援してくれています。
「俺の友達も、そのお父さんもお母さんもみんな観てくれてますから。世の中には“たんぽぽ”で暮らしている子たちみたいに、過去に事件を起こしているけれど、ちゃんと更生して、世間の偏見に負けず頑張って生きている人っていると思うんですよ。そういう人たちが共感してくれているんじゃないかな、と。世の中に元気のない人とか悲しんでいる人とかっていっぱいいるじゃないですか。そういう人たちのこともこの作品で応援していきたいですね」
――頑張っている孝介に励まされている方はたくさんいると思います。
「俺、口下手なんでうまく言えないんですけど、俺自身も皆さんからの応援に力をもらってます。ここまでたくさん応援してただきありがとうございます。これからも孝介ともども高橋賢人をよろしくお願いします!」