おっちゃんこと北山や、「たんぽぽ農場」の子供たちにとって大切な仲間であり、一緒にいるとホッとする存在であるポーさん。昨年のパート1に続き、この役を演じている渡部さんはポーさんをどんな人物と捉えて演じているのでしょうか?
――そもそも昨年はどんな部分を大切にしてポーさんを演じたのでしょうか?
「セリフがないというか、一切話をしない役だけに、視聴者の皆さんに笑顔が印象に残ってくれればいいな、と思っていました。あとは子供たちが多い現場なので、みんなと仲良く楽しく、明るい現場になればいいとも思いました」
――言葉に頼らず表情だけで伝える演技は大変だったのでは?
「いや、最初は『これはわりと楽かな』なんて思ったんですよ(笑)。ところが演じていくうちにおっしゃる通り、だんだん難しくなってましたね。今回はパート2だけに、ポーさんが何を思い、何を考えているのか、また何を伝えたいのか、昨年以上にちゃんと伝えていきたいです」
――“難しさ”を言葉にすると?
「ポーさんが出ている場面ってほとんど笑顔なんですよ。でもいつも笑っているからと言って、どの場面でも同じ笑顔ではダメだと思っています。顔は笑っているけれど、その中でちゃんと“喜怒哀楽”を表現したいのでワンシーン、ワンシーン、どんな笑顔でいるかは考えているし、気も遣ってます」
――渡部さん自身はこの作品のどんなところが気に入ってますか?
「子供たちの成長が描かれているところですね。『たんぽぽ農場』で本当にいろんな事件が起きますけど、何事にも負けずに頑張る北山さんや子供たちの姿に胸を打たれています。俳優としても撮影の間に子供たちの成長を感じることがよくあるんですよ。畑のシーンは連日でなく飛び飛びなので、数日ぶりに会うと、わずかな間なのに顔つきが変わっていたり、セリフの言い方が変わっていたり。そういう子供たちを見ていると、この作品に参加できて良かったと思いますね」
――子供たちとの共演はいかがですか?
「いいですね。みんな元気があって。ただ僕も年齢が年齢なので、みんなとの会話にはなかなかついていけませんけど(笑)。ポーさんと同じくニコニコ笑っているだけで」
――くわの持ち方など堂に入っていますが、家庭菜園などの経験は?
「観てくださる皆さんのイメージを壊したら申し訳ないんですけど、普段はまったくしないです(笑)。だから昨年、最初に畑に来たときはすごく新鮮な気持でした。やってみて思ったのは、土いじりはいいですね。無心になれますから。それに太陽を浴びながら畑に立ち、野菜に囲まれていると清々しい気持ちになりますよ」
――現場にニコニコと笑っている渡部さんがいるとそれだけでホッとしますが、あえて苦労はありますか?
「苦労ですか?…ないですね(笑)。どうしてもと言うなら、畑の場面は天候に左右されやすいってことぐらいですかね」
――改めてうかがいますが、こうしてパート2が放送されての感想は?
「そりゃあ、すごくうれしいですよ。パート2があって、ましてやまた参加できるなんて思ってもいませんでしたから。それだけ、この作品には力があった、ということだし、こういう作品とめぐり会えた幸せというものを感じています」
――昨年はポーさんがどうやって「たんぽぽ農場」に現れたか描かれましたが、今回、さらに素性が分る、というようなことはあるのでしょうか?
「どうなんでしょうね(笑)。そこは僕にも分らない。でも思うんですけど、ポーさんって話さないからいい、みたいなところがありませんか? 多分今後もポーさんが何か言うとは…。いや、そこは僕にはわからないですけど(笑)」