先日、蒲郡市の三谷温泉にあるホテルの会議場で、
「地域の担い手」をテーマにしたシンポジウムが
開かれました。
今年で4回目。
行政や福祉関係者、一般市民およそ80人が参加しました。
企画したのは小田泰久さん。
地元のNPO法人「楽笑」理事長です。
小田さんは平成19年にNPO法人を設立、
すぐに地域の主婦や障がいを持った人たちが一緒に働ける場として
「パン工房・八兵衛」を立ち上げました。
翌年には地域の漁港で水揚げされる、新鮮な魚を使って干物を作る
「酒菜屋・十兵衛」もオープン。
運営は順風かと思われました。
そんな小田さんに、壁が立ちはだかります。
地域には干物の製造・販売を生業とする業者がいくつもあって、
障がい者の就業支援の場として補助金をもらう「楽笑」と
どう共存共栄させるのか・・・手探りの日々が続きました。
時間と労力をかけ課題をひとつひとつ解決、
地元の業者と仕入れなどを協力して、
今や商品を飲食店やスーパーに卸すまでになっています。
姪が障害を持って生まれたことをきっかけに、
全く経験の無かった福祉の世界へ飛び込んだ小田さん。
生まれ育った三谷の街、祭などを通して様々な人に支えられ
福祉とまちづくりは、密接な関係があると気付きました。
そうして始めたシンポジウムでは、
毎回全国から先進例の発表が続きます。
障がい者も高齢者も子供も・・・同じ場所に集い、
暮らしやすい地域作りの拠点にしようと、
紡績工場を改築し、
平成26年「キッズサポートセンター・千兵衛」が出来ました。
良い意味で「ごちゃまぜ」な場所。
地域の誰もが憩えるサロンとして、ふさわしい姿はどんなものなのか?
忙しい業務の合間を縫って、小田さんは各地へ視察に出向き
今日も理想を追い求め、奮闘しています。