私も50代に入り、まだまだ自身の技術は拙いものの、
後輩達に仕事を伝えるステージに入ったと感じます。
反面、教わる機会はめっきり減って・・・
そんな日々で衝撃的に出会ったのが、
きもの一筋、清水とき先生です。
先生は御年94、大先輩に教わる事は山とあります。
絶やさぬ笑顔に風格を醸しながらも、どこか茶目っ気たっぷりの仕草。
そしてどんな時も、教え子たちの動きに厳しい目配りは欠かしません。
とき先生は、現在の岐阜市日置江に生まれ、
戦争の焼け跡から母の洋裁学校を引き継ぎました。
そして日本古来の民族衣装である「きもの」を忘れてはならないと、
染・織・縫・繍から着付けと「きもの」の全てを、
七十数年に渡り、弟子たちへ指導し続けてきました。
ご自身が理事長である東京の学園をはじめ、教室は全国に広がり
その中でも歴史を誇る、名古屋・栄の文化センターは
このほど50年の節目を迎えました。
それを祝っての公演が中日劇場で催され、進行のご縁を頂きました。
ご高齢になった今も、月2回教室で教えていらっしゃる事も驚きですが、
1時間以上の「きものショー」は、ご本人のプロデュ―ス!!
ショーの中で詩の朗読は、
俳優の白石奈緒美さん(右から2人目)が担当され、
音声表現者の端くれとして、私も大いに刺激を頂きました。
近年、海外で日本の着物に興味を持つ方も増え、
各国の駐日大使夫人に、その魅力を伝え、
世界中に「きもの」の良さが伝わるよう、普及振興に努めています。
「きもの」を誰よりも愛し、その指導を"一生貫く仕事として"。
意欲は、衰える事がありません・・・