前回ご紹介した"回想法"を学んでいるとお話したら、
一筆「楚さんの回想、昔の思い出」が添えられたはがきが、
毎日我が家に届きました。(継続中!)
そんなユーモアセンスにあふれたグラフィックデザイナーが
名古屋市在住の、楚勉(そ・つとむ)さんです。
<胸のエンブレムは、楚さんのデザインです>
楚さんとは、これまた以前のブログでご紹介した
揚琴奏者の金亜軍さんのコンサートで出会いました。
金さんのポスターやチラシのデザインをしていたのが楚さんです。
楚さんは昭和19年、岐阜県美濃市生まれ。
ポーランドで開催された
第11回ワルシャワ国際ビエンナーレで銅賞(下・右作品)、
EKOPLAGAT1987・1990(下・左作品)
環境・自然保護ポスタートリエンナーレ
連続グランプリ(於チェコスロバキア)など、受賞多数。
高校の頃は、新聞販売店で働きながら学校へ通う
新聞勤労奨学生でした。
世の中がまだ貧しかった頃、経済的に進学出来ない人も多く
中学の担任の先生の助言で、デザインの道へ進みました。
卒業後は航空機製造会社へ就職、ニュース配信社などでも
キャリアを積み、昭和44年デザイン事務所を設立。
グラフィックデザイナーとして数多くのポスターなどを制作し、
個展やグループ展を各地で開催しています。
様々な仕事を手掛け作品を生み出し続けた楚さんでしたが、
平成19年、脳梗塞で倒れ右半身が全麻痺、
利き手の握力を失ってしまいました。
「ずっと酒に酔って、ぐるぐる回っているような」厳しい状態の中、
楚さんは入院の翌年3月、手のリハビリの為ハガキ絵を始めました。
しかし鉛筆は持てても芯に圧力がかからず描けない・・・
作品は、リハビリと共に楚さんが徐々に回復する姿を
映し出しています。
楚さんは今、規則正しい生活を守りながら仕事に復帰しました。
6時に起きて喫茶店で新聞を読み、近所の緑地を散歩・・・
午前中の仕事に取り掛かります。
今年70歳の楚さん、まだまだ機知に富んだ作品を
たくさん作ってくれそうです。